2月にスタートした連載も無事に年内を完走! ただ決して平穏な10か月ではなく、メンバーたちの努力あってこそ、駆け抜けることができた10か月だったといえる。今週は2020年の総括として、本企画連載のライターである小島和宏さんに、アメフラっシの成長の日々を振り返ってもらった。2021年はさらなる飛躍の年になることを信じて――!

残酷な光景から見えてきた「はじまったな」という未来

『2020年にブレイクしなければ間に合わないアイドル』

今年の2月、この連載をスタートさせるときに僕はそうタイトルを打った。もちろん読んでいる方にインパクトを与える、という目的もあったが、2020年2月の時点では、本気でそう考えていた。

メンバーも「2020年は勝負の年」と明言してきた。

つまり、目標である「メジャーデビューを2020年のうちに実現する」というのが、彼女たちにとっての「勝負」。そこに向けて一丸となって動いていることはよくわかったし、それでもブレイクできなかったら、本当に間に合わないかもしれない……そんな思いから、あえて扇情的なタイトルをつけた。

その時点では、新型コロナウイルスの感染拡大はまだ始まっておらず、アメフラっシも4月から定例ライブを開催することを発表。取材場所に指定されたスタジオでは、新曲のレコーディングも行なわれており(それがのちに『メタモルフォーズ』であることを知る)、着実に「勝負」への足固めが進んでいることも感じていた。

3月20日には、愛来と鈴木萌花が舞台出演(それもけっこう重要な役への大抜擢!)することを受けて、あえて公演当日に市川優月と小島はなが「ゆづはな」として、アイドルフェスに出演。これまでにない「勝負」を賭けたのだが、アイドルフェスの舞台は想像以上にアウェーな空間で、舞台を降りた2人はカメラが止まった瞬間、大号泣した(カメラが止まった後なので映像は残っていない……)。

かなり壮絶な舞台裏だったが、一方で、その光景を見ていて「あっ、はじまったな」と思った。4月10日からは定例ライブもスタートする。この悔しさをそのステージにぶつけることができたなら、アメフラっシに新たな化学反応が起きるかもしれない。順風満帆ではないけれど、こうやって痛みを伴ったほうが絶対に強くなれるのだ(なにより、本当にギリギリのタイミングで3月20日にイベントが開催できたのは大きい!)。