「極上の一杯」がたった1時間で完成!

マズい……。このレポ、思わぬ方向に向かうかもしれない……。思いがけぬ展開にゲームを放り出して混乱する妻を尻目に、夫は早くも次の工程へとうつっていた。

▲香味油を作る

こ、これは! ラーメンの味を決めるといっても過言ではない「香味油」作り!  しかも、向こうには万能しょうゆダレに漬けた「豚バラチャーシュー」の姿も。

や、やはり「最高のしょうゆラーメンを1時間で作る」ためのタイムスケジュールが、夫の頭に叩き込まれているッ! がゆえに、手際がよすぎる……溜息。

▲麺をゆでる

そして「いくよー!」。そんな掛け声とともに、とうとう麺の投入! もう少しで、極上の一杯にありつける……。ごくり。

▲盛り付けをする夫

時計を見ると、ここでちょうど1時間ちょっと! これも頭に叩き込まれた「タイムスケジュール」通りに、もはや「推し」スタンプを押してしまうほどに尊い、我が夫が実行してくれた尽力によるもの……!

うまい! もう一杯!

「ほれ、一丁あがり〜!」

そんな推しの声とともに運ばれてきた「極上のおうちラーメン」が、コチラ。いかにも男の料理らしい素朴すぎる盛り付けに、ヨレっとした煮卵が愛おしい、我が家の「極上の一杯」の完成だ!

▲完成した「極上の一杯」

麺が伸びるといけないので、さっそくありつくとしよう。

な、なんだ、これは……? 動物系と煮干しの、しっかりとした出汁をベースに、カツオの香りがフワリと香る、何とも言えないこのスープ。これは、インスタントでは絶対に味わうことのできないシロモノッ! ちぢれ麺に絡みつく、この極上旨味しょうゆスープたるや……。ここは店なのかッ?

なんてこった! 美味すぎる。美味すぎ良太郎。
(※ここも『孤独のグルメ』井之頭五郎風にお読みください)

しかし、まさに語彙力を失うほど、本当にうまいのである。「うまい! もう一杯!」――。夢中で食べて見上げると、夫が菩薩のごとく穏やかな笑みを浮かべている。結婚14年目にして、よもや夫をこれほど愛おしいと思うことがあるとは……涙。もはや、食欲のみに突き動かされていた己が恥ずかしくてたまらぬ。

ありがとう、夫。
ありがとう、ラーメン……。

とびきりおいしくて、夫への愛情を再確認できる休日……。こんな「おうち時間」――最高じゃないか! 外出自粛、万歳!!

人間とは、なんとも素直な生き物である。おいしいものを食べれば幸せになる。そこに大切な人の笑顔があれば、これほどの調味料はないだろう。

世の男性諸氏に告ぐ。
男は黙って、ラーメンを作れ!

▲『極上のおうちラーメン』(小社刊)より
▲『極上のおうちラーメン』(小社刊)より
▲『極上のおうちラーメン』(小社刊)より

▲『極上のおうちラーメン』(小社刊)
 <書籍情報>
タイトル:極上のおうちラーメン - 家史上最高の一杯の作り方 -
著者:髙梨樹一
発売日:2021年1月27日 ※電子版も近日配信予定
定価:1,364円+税
発売元:ワニブックス

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