2020年秋、NPB合同トライアウトにチャレンジした新庄剛志氏が、人生で初めて人にバッティングを教わりに行ったのが『IWA ACADEMY』(2021年4月より『MTX ACADEMY』に名称変更)の木村匡宏トレーナーだった。再びプロ野球選手になることを目指した新庄氏に、どのような指導をしたのかを聞いてみました。

YouTubeを見て「俺、これ習いたい」と言ってくれた

新保 NPBトライアウトに挑戦する新庄剛志さんに、木村トレーナーがバッティングの指導をされているところがテレビ番組で紹介されて、大変な話題になりました。新庄さんはどういう経緯で、IWAの木村トレーナーの指導を受けることになったのですか?

木村匡宏トレーナー(以下、木村) ある朝、新庄さんが起きて「再びプロ野球選手になろう」と決めて、走れるか、投げれるか、ひとつひとつ確認していったそうです。ベンチプレスは、130kgを余裕で挙げていたのが、バリで久しぶりにやってみたら40kgも上げられなかった。それからトレーニングを続けて、110kgまで挙がるようになった。

よしよしと、バットを持って打とうと思ったときに「あれ? 打ち方、忘れちゃってる」って思ったそうなんです。それからYouTubeでいろんな選手のバッティングフォームの動画を見て、そのなかでたまたま僕の動画を見て「あ、この考えオレと同じや」と思い「よし! 教わりにいこう」と僕にコンタクトを取ってくださったそうです

新保 そうだったんですか! それはビックリの展開ですね。初めてIWAで指導されたときの木村トレーナーの心構えと、新庄さんの様子を聞かせてください。

木村 僕にとっては“阪神の大スター・新庄剛志”ですから。新庄さんといえば、巨人戦で敬遠のボールを三遊間に打ったシーンをよく覚えていて、学生時代、みんなでよくマネをしていたくらい。敬遠のボールでも打っていいんだ!って、今でも伝説のサヨナラ安打として記憶に残っています

でも、僕はあまり構えないで自然体でいこうと思っていたんです。「新庄さん、準備できていますので、どうぞ」みたいな感じでいこうと。でも、新庄さんはIWAに来るなり「オレね、14年間バッティングしてなかったから、打ち方を忘れてしまった。YouTubeで見て、オレこれを習いたいって思ったから、人からバッティングを教わるのは初めてなんだけど、今日はよろしくお願いします」って、深い一礼とともに伝えていただいたんですね。

まさか、そんなまっすぐな言葉をかけられると思ってなかったから……。そこから始まったからびっくりしちゃって、結局、緊張しちゃいました(笑)。

新保 新庄さんというと「華やかなスター」って感じで、派手なイメージですが、すごく礼儀正しいんですよね。 

▲スーパースター・新庄さんも認めた木村トレーナーのスイング