薄毛は治療が可能です――。これまでは遺伝だと諦めてしまっていた薄毛ですが、現在の医学では、お薬による治療ができるようになりました。「AGAスキンクリニック」は、全国で50院を展開する発毛・育毛クリニックです。今回は、新宿駅前院・院長の西垣匠医師に、薄毛治療の最前線について語っていただきました。

※編集部より:今回のインタビューは「三密」を徹底的に避けて行いました。

AGAは早め早めの対策が重要

新保 このインタビューが掲載される「NewsCrunch」は、ビジネスマンの読者が多いので、AGA(男性型脱毛症)治療に関心がある方もたくさんいらっしゃると思います。あらためてAGAとはどういうものなのでしょうか。

西垣 日本語で言うと「男性型脱毛症」で、男性特有の薄毛のことです。額の生え際、あるいはてっぺんのあたりから進行するケースが多いです。症状はそのどちらかだけという方もいらっしゃいますし、複合的に発症する方もいらっしゃいます。AGAは進行性のものなので、早めに対策を始めて、進行を抑えることが重要です。治療はお薬を処方します。

新保 現在、こちらのクリニックに通われている患者さんの年代層は、どのあたりが多いのでしょうか。

西垣 20代から30代の方が、世代としては多くなっています。もちろん、それだけでなく10代後半の方、40代や50代の方、もうすこし高齢の方もいらっしゃいます。

新保 実は今となりにいる32才の編集担当も、最近悩みを抱えているのだそうです。ある日、抜けた髪がフローリングにたくさん落ちているのに気づき、ショックだったとか。

▲抜け毛に悩む編集担当の悩みも、院長に聞いてもらいました

西垣 1日の抜け毛の本数は、重要な指標になります。50本から100本くらいなら、気にしなくてもいいレベル。それが1日200本から300本となると、AGAが進行しつつあると考えられます。不規則な生活や、不摂生からくるストレスも原因になっているかもしれませんね。

薄毛はいったん始まると、ずっと進行し続けてしまいますが、最初からすごいスピードで進行するという方は、めったにいません。最初はスローペースなので、その段階で気づく方はほとんどいないんです。抜け毛の本数が多くなっていたり、地肌が目立ってきたりして初めて気づくのですが、気づいた時にはかなり進行していた、という方が大半なんですね。

その場合の治療は、進行を抑えるためのお薬が最優先になります。現状を維持したいというのであれば、そのお薬だけで十分だと思います。ただ、ある程度進行してしまっている方だと「生やしたい」という、お気持ちの方も多くいらっしゃいます。その場合は、進行を抑えるお薬だけでなく、生やすためのお薬を加えます。これが基本的な治療です。

新保 それをうかがうと、対策は早ければ早いほどいいのが分かります。

西垣 薄くなってからの期間が長くなればなるほど、戻すまでに時間がかかります。そういう意味で、早い段階のほうが戻す手間がかからない、戻す期間が短くて済む、という言い方はできますね。