“理想のクラスを作る”ことをテーマにしたバラエティ番組『青春高校3年C組』(テレビ東京系)3月末をもって終了した。クラスの副学級委員長だった渡邉聖明さんは、中学・高校時代に生徒会長を務め、まわりから“ザ・まじめ”と呼ばれるほどの優等生。そんな彼が『青春高校』で過ごした日々は「本気でいいクラスを作りたい」という理想を追いかけながら、自分の弱さと向き合った3年間でもあった。挫折と葛藤そして、その先に見えたものについて熱く語ってくれた。

▲青春高校3年C組スペシャルインタビュー(卒業・渡邉聖明編)

漫画のような青春に憧れていた

――渡邉さんは『青春高校3年C組』の副学級委員長を務めていますね。

渡邉 とはいっても、クラスのみんなには申し訳ないくらいに副学級委員長らしいことはしてなかったです。中学・高校時代に生徒会長をやっていたので、最初のころは「青春高校の生徒会長になりたい!」って言っていたんですけど、学級委員長の(日比野)芽奈がしっかりしているので、途中からそういう気持ちもなくなりました。

――もともと芸能界に興味があったんですか?

渡邉 演劇部に入っていたので表現をすることに興味はあったんですけど、高校から始めた会計学の勉強が楽しくて、将来は会計士を目指そうと思っていました。お堅い感じですよね(笑)。まわりの友達からも“ザ・まじめ”って言われていました。

――『青春高校』のオーディションを受けるとき、ご両親は心配していませんでしたか?

渡邉 厳しい家庭なので、両親には内緒でオーディションを受けました。ただ、そのときは未成年ということもあって、合格したあとに親のサインをもらわなきゃいけなかったんです。それで、母のほうがまだちょっとだけ優しいので、母にサインしてもらって。父には秘密にしていました(笑)。

――お父さんに伝えたときはどんな反応でしたか?

渡邉 事後報告だったんですけど、怒られはしなかったです。「『青春高校』という番組に出ます」って報告したら「ちゃんと学業と両立するならいいよ」と認めてもらえました。

――実直な印象の渡邉さんですが、SNSで番組の告知や宣伝をするなど、まじめで丁寧なコメントが「公式より公式」と言われていましたね。

渡邉 そうなんですよ(笑)。僕、SNSで『青春高校』の宣伝ばかりしていたんですけど、日常ツイートを心がけようと思って、何気ないこともつぶやくようにしたんです。それをほかの生徒が引用リツイートしてくれるんですけど「わったー(渡邉)は、こんな日常ツイートをするわけないから、偽アカだ」って言われるようになってしまって…(笑)。

――3年間でいろんな思い出があると思いますが、とくに記憶に残っている出来事といえば?

渡邉 僕はダンス&ボーカル部に所属していたんですけど、文化祭やイベントに向けて、部活のみんなと過ごす時間がとても楽しかったです。個性や年齢もバラバラのみんなが、練習の休憩時間に一緒にごはんを食べたり、バカなことをしているのが本当の部活みたいで「あぁ、青春しているなぁ」って感じました。

――熱い青春の日々を実感していたんですね。

渡邉 漫画みたいな青春に憧れていたので、普通の人よりも思い入れが強くなってしまうタイプかもしれません。

▲漫画のような青春に憧れてました

――だからこそ「本当にいいクラスを作りたい」という思いが、渡邉さんは人一倍強かったんですね。

渡邉 もちろん、この3年間で楽しいことがたくさんあったんですけど、個人的には「悔しいな」って思うことのほうが多かったかもしれないです。

――どんなことで悔しさを感じていたんですか?

渡邉 やっぱり『青春高校3年C組』はバラエティ番組なので、自分はあんまり面白いことが言えてないな、という悔しさがありました。「ここはもっとこうすればよかったな」とか「まだまだやり切れてないな」という反省もたくさんあって。

たくさん壁にぶつかったし、自分の不甲斐なさにヘコむことも多かったです。でも、そのぶん、うまくできたときは楽しかったし、みんなと協力してひとつの物を作り上げる楽しさを感じました。

――落ち込んだときに励まし合っていた生徒はいましたか?

渡邉 仲良い生徒はたくさんいるんですけど、深い話をしていたのは、きめしゅん(木目田俊)です。同じ4週目オーディションを受けた仲間で、同い年だったし、僕と誕生日が1日違いなんですよ。いろんな共通点があって、なんでも本音で話せる関係でした。

――一緒に遊びに出かけたりしましたか?

渡邉 僕と同じ敗者復活で合格した、めがちゃん(女鹿椰子)と、きめしゅんと3人で“カオス会”というグループを結成していたのですが、その3人でよく遊びに行ったりしていました。僕ときめしゅんの誕生日のときは、めがちゃんがサプライズでケーキを用意してくれたこともありました。

ケーキに僕たちの名前が入ったプレートが添えられていたのですが、めがちゃんが電話で予約したときに、店員さんが聞き取れなかったらしくて「わったー」と「き“ぬ”しゅん」になっていたけど(笑)。でも、3人で笑いながら写真を撮ったりして、いい思い出になりました。

――渡邉さんにとって『青春高校』で出会った生徒たちは、どんな存在ですか?

渡邉 かけがえのない存在です。きめしゅん、めがちゃんだけでなく『青春高校』に入って、本当にみんなとの出会いに運命を感じました。こんな出会いは一生に一度なんだろうな、って思います。