アメフラっシにとって、Zepp Hanedaという大舞台での単独ライブとなった『Wings and Winds』。今週は昼の部の『Wings』と、夜の部の『Winds』の幕間に繰り広げられた、メンバーたちとスタッフたちによる知られざる挑戦についてお届けしていこう。あの日の会場の一体感と興奮は、いかにして生まれたのか――すべてはファンのみんなのために!
「ちょっと『崩して』みませんか?」という突然の提案
無事にZepp初陣を飾ったアメフラっシの4人。パフォーマンスに関しては、もう何も注文をつける部分がなかったが、2階席から見てて、ひとつだけ気になることがあった。
それはメンバーの視線が届いていないように感じてしまうこと。リハーサルから見ていたので、彼女たちがしっかりと2階席も意識していたことはわかっているし、おそらく4人はステージからちゃんと2階席を見つめて、お客さんの顔もしっかり視界に入っていたはずだ。実際、昼の部で愛来が「2階席もちゃんと見えてますよ!」とアピールしたときには、その直前に目線がしっかりと2階に届いているように見えた。
しかし、2階席から見ていると、それがうまく伝わってこない。2階席のお客さんが「置いてけぼり」感を覚えてしまうと、会場の一体感も薄れてしまう。高いところから、メンバーと1階席の観客が盛りあがっているのを傍観しているような雰囲気になってしまうからだ。このもどかしさは、まさに演る側と見る側の感覚の違い、である。
実際、2階席のお客さんがどう感じていたのかはわからない。マスクをつけて、声も出せないから、声援だけでなく感想も漏れ伝わってこないのだ。みんな満足していたとしたら取り越し苦労だが、不安要素は取り除いておくにこしたことはない。
スタッフは、みんな1階席にいるので、この観客目線には気がつかない。最初はメンバーに直接、話そうと思っていたが、夜の部に向けての準備を進めている姿を見ていたら、なんだか話しにくくなってしまい、振付のAnna先生やマネージャー陣に伝えて、あとはお任せすることにした。
昼の部が終わったあと、それを伝えるために先生たちのところへ行ったときに耳に入ってきたのが、先週のレポートの文末に綴った「夜の部では、ちょっと『崩して』みませんか?」という話だった。