アメフラっシにとって、Zepp Hanedaという大舞台での単独ライブとなった『Wings and Winds』。おかげさまで、開演前の詳細を綴った先週の記事は大きな反響をいただいた。そして今週からはいよいよ『Wings and Winds』のライブレポートをお届けしていこう。NewsCrunchでは、セットリストにこめられたメンバーやスタッフたちの想いに注目してみた。

オレンジ色のペンライトがメンバーと観客の心をひとつに

▲メジャー感あふれるメンバーたちの入場シーンは観客の心を鷲掴みにした

2021年3月21日、14時3分。

会場が暗転すると、昨年夏の単独ライブと同じように、メンバーがひとりずつステージに登場する演出から公演はスタートした。

ただ、あのときと違うのは、ステージから客席に向かって、鮮やかなブルーのレーザービームが放たれる演出。昨年夏の自然光をバックにしたシーンも印象的だったが、やはり、こういった演出からはメジャー感があふれ出てくるし「あぁ、ひとつ上のステージにたどりついたんだな」と実感もする。

前回の連載でも綴ったように、リハーサルのときは緊張の色が見られたメンバーだったが、逆に本番ではその緊張から解き放たれたようなムード。その理由はひとつしかない。リハーサルのときは、目の前に無人の客席がただただ広がっているだけだったが、今はそこにたくさんのファンが待っていてくれる。

そして、多くのお客さんがこのライブから新しく発売されたオレンジのペンライトを振ってくれている。その光景にメンバーの不安はスーッと消えていったのだ。

ペンライトがオレンジ色だったのは、会場すぐそばにある羽田空港で使用されている誘導灯をイメージしてのもの。まさにファンがメンバーの心を、よりよいパフォーマンスができる空間へと誘導してくれているかのような光景だった。

1曲目は『STATEMENT』。おなじみの楽曲だが、いつもは後半で披露されることが多いので、ちょっと意外な選曲。メッセージ性の強い歌詞、セリフからは「このまま終わるもんか=ここからはじまる」という強い意思表示が感じられた。

そして、2曲目の『Rain Makers!!』では、ファンと同じオレンジのペンライトをメンバーも握ってのパフォーマンス。メンバーが2本持つと、呼応するように2本振って応援する観客の姿も。序盤からこういった仕掛けを組み込んでくるのは、客席との一体感を意図してのことだろう。

ライブ直前に掲載した記事でも書いたが、愛来は「コロナ以前のライブと同等の満足感を味わってもらうには、どうしたらいいのか」ということを真剣に考えていた。コールができないから、ステージと客席のコール&レスポンスにも限界がある。だから、言葉を交わさずに心を交わしていく。その象徴がオレンジの光だったのだ。

▲無数のオレンジのペンライトが華やかに会場全体を包み込んだ