大好評連載中の漫画『ラルとアキ ドMパグと女王柴犬の愉快な主従関係』の主人公・ラルとアキが運命的な出会いを果たしたのが、兵庫県にある「ペットパートナーズ宝塚店」さん。こちらのお店が、ペットショップの主な業務である「生体販売」をまもなく取りやめると聞き、ラルとアキ、そして飼い主であるきたむらさんご夫妻と取材に伺ってきました。そこで目にしたのは、スタッフさんたちが築き上げた、動物たちにとっての“幸せな場所”でした。
動物と人が一緒に楽しく暮らしてほしいという想い
――ラルくんとアキさまの出会いの場でもあるペットパートナーズ宝塚店さんでは、いわゆる「生体販売」……ガラスケースの中にネコちゃんやワンちゃんを展示しての販売をまもなく終了するとお聞きして、今日は取材に伺いました。
ペットパートナーズ宝塚店 小野行洋さん(以下、小野) 取り組みというほどでもないのですが、当店ではこれまでも、動物たちをドッグラン(現在は新型コロナウイルスの感染対策のため一時的に閉鎖中)でたくさん遊ばせたり、犬同士が遊んだり、お客さんにも触れてもらったり、外にも散歩へ行ったりなどしてきました。当店はそれが良さといいますか、アキもそうですけど、すごく個性的に育つんですよね(笑)。
――ラルくんが、ペットパートナーズ宝塚店さんのドッグランにいたアキさまに一目ぼれして、現在に至るんですよね。
小野 はい。ですから「生体販売」自体は、悪いことばかりとはまったく思っていないのですが、当店は購入後でも困ったことがあれば相談しやすい場でありたい、と考え続けてきました。
それから保護犬たちの譲渡会を当店で行なっていきたいです。主だった目的としては、もちろん「譲渡会で里親さんが見つかればいいな」というのがあるんですけど、保護犬の子たちって、いろんな(大変な)思いをして、そこにたどり着いた子がたくさんいると思うので、そういう子こそ幸せになってほしいな、と。
あと、そういう子たちが愛情というか、手をかけることによって「こんないい顔になるんや!」というのを見てほしいっていうのもあります。そんな出会いのきっかけの場になればと思っています。
――失礼な質問になるんですけど、ペットショップさんという存在を考えたとき、ワンちゃんなりネコちゃんたちを、お客様に販売することで利益になるというイメージがあります。でも「生体販売」を終了するということは大きな収入減というか、売り上げ的に考えると下がりますよね。それでも「生体販売」を終了するというのは、やはり動物たちの視点に立ってということですか?
小野 まあ、もちろん売り上げは減りますが、どちらかというと、飼い主様との関係性や信頼関係が大切だと考えているんですね。当店では以前から、飼い主様との距離が近いというのが得意分野ではあるので(笑)。まずそこを突き詰めたいという想いがあります。
そして、理想論かもしれませんが、犬に限らず「動物と人が一緒に暮らして、どっちも楽しくないと僕は意味がない」と思っているんですよ。特に初めてペットを迎えられた人のなかには、育児ノイローゼのようになられる人もいるんです。ですから、そういった方々のお手伝いというか、そこをちょっと支える力になれたら、すごくいいなって思っています。
――御社の取り組みとしては「生体販売」に依存せず、いわゆるアフターケアというか、ワンちゃんやネコちゃんと飼い主さんが、しっかりした関係性を築けるようにお手伝いをする、ということですね?
小野 はい。ただ、コロナの影響で、今は広場(ドッグラン)を完全に閉めちゃってる状態なので、落ち着いたら、しつけのお手伝いなり、保護犬の譲渡会をもっと積極的に行なっていきたいですね。