デスクワークなど長時間、同じ姿勢を取り続けていると、背骨が棒のように硬くなっています。すこし疲れたとき、コリが気になるとき。プロの整体師がこっそりやっている“極楽ストレッチ”を紹介します(※気持ちよすぎ注意です)。特に猫背だったり腰痛持ちの人は必読の気持ちよさに重点をおいた極楽ストレッチを、メディアで人気の「for.R整体院」代表・木幡洋一氏がやさしく解説。

本記事は、木幡洋一:​著『世界一気持ちいいストレッチ』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

猫背の人は背中の筋肉が引き伸ばされている

たとえ正しい姿勢でも、長時間同じ体勢を続けることは避けましょう。筋肉は伸び縮みさせて動かすことで、はじめて調子が良くなります。ずっと動かさないと、筋肉が硬直し、血流が悪くなってしまいます

背中には、首や背中全体を覆っている「僧帽筋」や、腰から腕に伸びる「広背筋」、背骨を支える「脊柱起立筋」や、その奥のインナーマッスルなど、多種多様な筋肉が集まっています。

猫背の人は、これらの筋肉が常に引き伸ばされて固まった状態になっています。それぞれの筋肉を適切に伸び縮みさせて、ゆるめなければなりません。

背中をストレッチするときは、背骨を意識しながら動かすのがコツです。背骨は26個の骨が積み重なっており、ひとつひとつが動くことで柔軟な動きができます

長時間、同じ姿勢を取り続けている人は、背骨が棒のように硬くなっています。うまく動かすことができない部分がないか探りながら、じっくりと動かし可動性を取り戻しましょう。

▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
 背中のストレッチ
1.頭の上で手首をつかむ:イスに座り、足は肩幅くらいに開く。頭の上に両手を上げ、 右手で左手首をつかむ。※立って行ってもOK
2.真上に伸びる:息を吐きながら真上に伸びる。手のひらは天井に向ける。3呼吸キープ。
3.真横に倒す:伸びた位置で息を吸い、吐きながら右手で左腕をひっぱり、右に体を倒す。お尻が浮かないように気をつけながら3呼吸キープ。
4.斜め前に倒す:[3]の位置で息を吸い、吐きながらお腹を引き込み、背中を丸くしながら右斜め前に体を倒す。お尻が浮かないように気をつけながら3呼吸キープ。反対側も同様に。

なぜ腰には負担がかかりやすいのか?

椅子に座るとき、浅く座って腰を丸めた姿勢になっていないでしょうか? あるいは立っているときに、腰にギュッと力が入っていないでしょうか?

腰の筋肉は、上は肩甲骨やろっ骨、下は骨盤や股関節に付いていて、上半身・下半身両方から影響を受けます。そして反り腰や丸腰、重心のかけ方によっても負担がかかる筋肉が変わるので、個人差が大きい部分です。だから腰痛の原因は、人によって違うのです。

また、座ることは実は立っているよりも腰に負担がかかります。疲労を蓄積させると、ちょっとした動作で痛めてしまうことも。腰は体の要なので、ここをゆるめて動きやすく軽い体を手に入れましょう。

▲世界一気持ちいいストレッチ(小社刊より)
▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
 腰のストレッチ
1.足を左に流す:横座りをするように、両足を左側に揃える。
2.右手を上げる:左手を右太ももに置き、右手をまっすぐ上げ、背すじを伸ばす。
3.上半身を左斜め前へ倒す:息を吐きながら右手から上半身を左斜め前にゆっくりと倒す。骨盤からろっ骨を引き離すように、右のお尻を座面につけるように引き下げる。腰の伸びを感じたところで3呼吸キープ。反対側も同様に行う。