すこし疲れたとき、コリが気になるとき。プロの整体師がこっそりやっている“極楽ストレッチ”を紹介します(※気持ちよすぎ注意です)。肩コリを感じたときは、首と肩のストレッチをしましょう。そのままにしておくと頭痛の原因にもなってしまいます。気持ちよさに重点をおいた極楽ストレッチを、メディアで人気の「for.R整体院」代表・木幡洋一氏がやさしく解説してくれました。

本記事は、木幡洋一:​著『世界一気持ちいいストレッチ』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

首はLサイズのスイカ1玉分の重さを支えている

自分の頭の重さをご存知ですか?

正解は体重の約10パーセント。体重が60キロなら頭は約6キロです。Lサイズのスイカを1玉、首の上にのせているようなものですね。そのため、頭が体の真上にあれば無理なく支えられますが、頭が体よりも前に出ると、一気に支える首の負担が大きくなります。それが、肩がすくんだり猫背になったりする原因のひとつです。

肩コリの代表的な原因筋である「僧帽筋」は、首・肩甲骨・背中にかけて大きく広がる筋肉です。肩に力が入って、すくみやすい人は、僧帽筋の上部が縮みっぱなしになっています。しかし、ほとんどの人が力んでいるという自覚がないので、いざ脱力しようと思っても、意外と難しいのです。

首に不快感や違和感を感じる人は、首コリになっています。放置していると、首コリが慢性化して頭痛や集中力の低下につながってしまいます。そうなる前に、しっかりストレッチしてコリをなくしましょう。

▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
 首の横・後ろ側のストレッチ
1.手で側頭部を押さえる:右の手のひらで左の頭の横を押さえる。
2.頭を右斜め前に倒す:息を吐きながらゆっくりと右斜め前に頭を倒し、左の首筋に気持ちいい伸びを感じたらストップ。
3.左手の付け根を斜め後ろ下に突きだす:右手はそのまま、左手の手首を外側に曲げた状態で斜め後ろ下に突き出すように下げる。気持ちいい伸びを感じたら3呼吸キープ。息を吸いながら頭を戻す。反対側も同様に行う。

四十肩予備軍を簡単チェック!

バンザイをしてみましょう。もし腕が耳の横までスッと上がらなければ、四十肩予備軍かもしれません。

肩関節は最も可動域が広い関節ですが、日常の動作で大きく動かすことは少ないもの。意識的に動かさないと、肩まわりの筋肉が次第に硬くなってしまいます。

腕を動かす動作は、肩だけでなく肩甲骨も動くことで成り立っています。肩甲骨はろっ骨の上に浮いているので、あらゆる方向に動かせるのが理想です。しかし、意識的に動かさないと、まわりの筋肉によってガチガチに固められてしまいます。特に猫背の人は肩甲骨が前に入り、左右の肩甲骨の間の筋肉が、常に引っ張られて硬くなっています。

肩甲骨が動かないと、さらに肩コリはひどくなってしまうのです。

▲世界一気持ちいいストレッチ(小社刊より)
▲『世界一気持ちいいストレッチ』(小社刊より)
肩・肩甲骨のストレッチ
1.両腕を左右に伸ばす:両腕を肩の位置で水平に伸ばす。
2.腕全体を交互にひねる:息を吐きながら、右腕は前に、左腕は後ろにひねる。指先から肩甲骨までをゆっくりとひねる。目線は右へ。息を吸いながら元に戻し、反対側にひねりながら左を向く。交互に10回行う。
3.腕を上下にしてひねる:腕の位置を上下に変えて、息を吐きながら[2]と同様にひねる。息を吸いながら上下を入れ替えて、息を吐きながらひねる。交互に10回行う。