18歳のときに配信した動画で注目を浴びるもメンタルを崩し、一度は自分の意志で表舞台から姿を消したが、再びタレントとして活動することを決意した小原ブラスさん。しかし、すぐに道が拓けたわけではなく苦戦が続いた。テレビに出るためのキャラ付けに迷走する日々、そんなときにヤケクソで神頼みをしたことをきっかけに自身の覚悟が決まり、そのあと収録した『アウト×デラックス』で人生の舵を大きく切ることになったのだ。

▲自分がコメンテーターになるとは思っていなかったと語る小原ブラスさん

自分の個性である“面倒くさい感じ”を出していこう

「『アウト×デラックス』には、それまでにも何度か売り込みに行っていたんですが、やはりキャラが薄いと言われていて。その時はたまたまだったんでしょうね『一度、お会いしましょう』という運びになったんです。

話しているうちに、ディレクターさんから『普通に面倒くせえなって感じました』と言われて、そこで生まれたのが“面倒くさいロシア人”というキャッチフレーズ。番組では外国人あるある的なことも話したけれど、メインで見てもらえたのは自分の中にあった“面倒くささ”や“ひねくれた”ところ。やっぱり嘘はあかんなと思いました。

そのあとの『5時に夢中(以下、ゴジム)』では、面倒くさい感じをそのまま隠さずにいこうと。『ゴジム』では面倒くさいことをいろいろ言うんだけども、今では自分が間違ったことを言っても『まあブラスが言ってることだからな』と思ってもらえてる気がします。視聴者も一緒になって『またブラスが言いよるわ』ぐらいの、真剣に受け止めてくれてない感じが逆にいいなと思ってます」

自信を与えてくれた『アウト×デラックス』。そしてホームの『ゴジム』。彼にとってはそれぞれが心の拠り所だ。

「出始めた頃に心を開くきっかけになったのは『アウト~』だけど、僕にとって『ゴジム』は今となっては一番、僕がそのままの状態でいられる場所なんです。失礼な話かもしれないけど『ゴジム』は一切、緊張しないんですよ。台本が本番1時間前に入って、ひどいときは出番まで扱う記事を見ないこともあるぐらい。打ち合わせもあるんだけど『コメントはあとで考えます』とか言って本番に臨めるぐらい気楽でいられる。

出演して初めて自分はこう思っていたんだって気付くこともあったりするほど、自分の我を保つための場所になっているんです。『ゴジム』がなくなると、全てが気を張る場になっちゃって自分を見失う気がする。『めざまし8』では言って欲しいことを気にしてしまう。かわいこぶってるんです。

『アウト~』では、自分は主役でもなんでもないからゲストに合わせて話を変える。でも『ゴジム』は、これが欲しいんだろうなって思うことを振られても、言わなくていいんです。悩みが多いのが『めざまし8』。自分が言ったことを『あの人、また偉そうに自分が正しいかのように言うから腹が立つわ~』みたいなことをネットで書き込まれたりとかする。

だけど、これもしばらく続けていけばいいと思っています。何回も続けていくことによって、いい意味で信頼を失うじゃないですか。そしたら、僕はなんでも言えるようになる。コメントをして信頼を失いたい、というまさかのパターンなんです」

▲“面倒くさいところ”はそもそもの持ち味であった