「本当の結成日」に2周年記念ライブを開催!
7月15日、渋谷・duo MUSIC EXCHANGEでB.O.L.Tが結成2周年記念ライブを開催した。
この表記に「?」となる人もいるだろう。そう、この2年間のうち、約1年4カ月もの期間がいわゆるコロナ禍での活動、という特異な経験を彼女たちはしてきたことになる。単なる「2周年」ではないのだ。
デビューアルバムのリリースも決まり、さらには単独ライブの開催まで発表されていたタイミングで襲いかかってきたコロナショック。すべてのスケジュールが白紙になる、というとてつもない逆風。それを乗り越えての2周年ライブと考えたら、なんとも感慨深いものがある。
ちなみに7月15日は本当の結成日。記念ライブをやるときには直近の週末にズラすことも珍しくないが、B.O.L.Tはその日にこだわった。結果として平日開催となってしまったのだが、それでもたくさんのファンが会場にやってきてくれた。
やっぱり誕生日は当日にお祝いするのがうれしいし、昨年はみんなで集まってお祝いすることすらかなわなかったので、実質、これが初の生誕祭となる。もちろん観客はまだ声を出すことができないけれど、ペンライトとクラップ、そしてジャンプで「おめでとう!」をステージ上の4人に伝えていた。
2階席からの俯瞰で、その光景を見ていたら、ほっこりするような、グッとくるような……本当に幸せな景色がそこには広がっていた。
だから、もっとお祭り騒ぎでもよかったのだろうが、B.O.L.Tはそれよりも「今」を見せることを選んだ。1曲目は『OUR COLOR』。5月にリリースされたシングル『スマイルフラワー』のカップリング曲で、まだそんなに歌い慣れているわけでもない。その曲を最初に配することで、この日のライブはお誕生日会ではなく、彼女たちが勝負をかけたステージである、と浮き彫りになった(もちろん2周年記念ライブらしく、懐かしい楽曲もしっかりと披露している。そこにはもう彼女たちの「歴史」が存在していた)。
注目したいのは「あやなの」の成長だ。「あやなの」とは中学1年生の白浜あや&青山菜花の2人。4月の単独ライブあたりから「もう小学生ではないのでパフォーマンスやトークを強化したい」と公言してきた2人だが、その姿勢を後押ししてくれるような出来事があった。
6月27日に横浜アリーナで開催された、ももいろクローバーZ・佐々木彩夏のソロコンサート『AYAKA NATION 2021』。そのステージであやなのが大抜擢されたのだ。いきなりオープニングから佐々木彩夏と3人で踊り、主役の佐々木彩夏が先にステージから消えたあとも、2人は残ってパフォーマンスを続けた。
あの大きな会場で、あの大観衆の前で、自分たちだけでステージを守る、というのは得難い経験。その可憐な姿は、彼女たちを知らない観客にもしっかりと刻みこまれたはずだ。
終演後、高井千帆から「あやなの、よかったですよね!」と声をかけられた。おそらく事の重大さは、本人たちよりもお姉さん組のほうがわかっている。あとはこの経験を本人たちがどう活かしていくか? その急速な成長ぶりは、こまめにライブを見ておかないと見落としかねない。そんな勢いは、この日のステージからもしっかりと伝わってきた。
あやなのが成長すればするほど、B.O.L.Tというグループの「見え方」も劇的に変わってくる。この日、初披露された新曲『夕日の後の夜に』は、あやなのがちょっと大人になってきた今だからこそ歌いこなせるのでは、と思わされた。この楽曲、聴けば聴くほど味が出そうだなぁ、と思っていたら、アンコールのラストでもう1回、歌ってくれた。じつにかゆい所に手が届くセットリストではないか。