鞘師的、心が動く瞬間…

情報がありふれて取捨選択しなければいけな
い社会で、何か一つの事にのめり込めるって
本当に素晴らしい事だなと思います。

情報が多すぎて鈍感になってしまいがちだか
ら、自ら感覚を研ぎ澄ませて感じにいかなけ
ればならない。
そう思うから、私は何か一つに集中する時間
を意識的に作ります。

私はそもそも特別アクティブな人間ではない
し、何かしらのエンタメカルチャーにどっぷ
り浸かるタイプの人間でもありません。

鑑賞する立場としては何でも”それなりの”
温度で楽しめちゃったりします。
だから例え素晴らしい評価を得ている作品に
触れたとしても、しっかり大きな感情が生ま
れるってことがあまりないのです。
もしいいなと思った作品があったとしても、
人に1から10まで語れるほど詳しくなれる
事もあまりないかもしれません。

それ故、もしかしたら自分って
なかなか感情の動かない、中身の空っぽな人
間なのかもしれないのかも。
と思う事もたまにあります。

けれど、逆に演者として、
作品の一部になる事に対しての自然と湧き出
てくる情熱みたいなものはすごく強くて。

音楽とか、演技とか、
対象としているものは、鑑賞する側と同じも
のだとしても、
関わり方が変わると、心の動き方が違うなと
実感しています。
急に前のめりになれます。