多方面で活躍する大人気お笑い芸人EXITが現在、街を元気にする全国活性化ツアーを開催中。ライブを通して、その地域の多くの人・物と出会い、その魅力を自分たちのコミュニティを活用して発信していくツアーに、ニュースクランチが完全密着。今回の会場である『名取市文化会館』に着くと、開演前の物販売り場にEXITが現れるサプライズ! ファンの皆さんとのピースフルな交流が行われていた。
EXITは名取市長の案内でサイクリング&グルメを堪能
2人が去った物販会場には、いまだ熱い余韻が立ち込めていた。ファンたちが「かねちに『ありがとね』って言われた!」「至近距離でりんたろー。さん見た! 肌キレイだった!」など口々に話して感激を噛みしめている。
その光景を目を細めながら見ている人――名取市長の山田司郎さんに話を聞くことができた。EXITの2人は昼間、市長の案内で閖上(ゆりあげ)を訪ねて『震災メモリアル公園』で献花をしていた。それから朝市を訪ね、名物の『アイザワミート』のメンチカツを試食。その後『名取市サイクルスポーツセンター』でサイクリングを楽しんだり、これまた名物のしらすソフトを食べたりしたそうだ。
「特にメンチカツは『うめぇ!』って叫びながら食べてくださって。おふたりとも、明るくて気さくで、とっても良い人たちですね」と、そのときの様子を振り返りながら、市長は今回の公演実現の喜びをこう語った。
「名取市は東日本大震災で被害が大きかった地域です。ハード面では、この10年で復興してきているんですけど、まだまだソフトの面、“心の復興”という意味では、もうちょっと我々も寄り添っていかないといけないと思っているんです。町の人々を元気にするという意味では、EXITさんが訪れてくださったことは大きい。実際、街の人たちと触れ合っていただいたら、おふたりとも『名取の人、元気ですね。逆にパワーをもらいました』って言ってくださったんですけど『いやいや、おふたりが元気にしてくれているんです』と申し上げました」
名取の人たちにとっても、EXITの2人にとっても、想像以上に大きな意義を持つことになった今回の訪問。それを目撃できる僥倖を感じながらホールに入ると、客席には名取市が制作したオリジナルデザインのクリアファイルが一枚ずつ置いてあった。
その中には、来場者プレゼントの『TIR TIR』〔EXITがプロデュースする化粧品ブランド〕のマスクと消毒液のほかに、名取市の観光スポットやグルメ情報のリーフレットがたくさん入っている。本来であれば県外から来たお客さんは、これを頼りに市内観光に繰り出すところだ。
コロナ禍の今は、本来の「地域活性化」をサポートするのが難しい部分もあるけれど、自治体の人たちがこのリーフレットに込めた思いはひしひしと伝わってくる。落ち着いたらまた改めて名取に来よう、そう思った。