アイドルを辞めた2人と、これから辞める1人を中心に、20代の女性たちが持つ心情や葛藤を描いた映画『ファンファーレ』が11月17日(金)に公開される。この作品で、アイドルグループ「ファンファーレ」の最年少メンバー・尾関あずさを演じているのが外原寧々だ。

鹿児島県出身の彼女は、中学2年生のときにスカウトを受け、高校進学に合わせて上京。今年に入り、ドラマ『Dr.チョコレート』(日本テレビ系)出演や、第46回創作テレビドラマ大賞『月食の夜は』(NHK総合)の主役に抜擢されるなど、現在注目を集めている。

今回、ニュースクランチでは外原にインタビューを敢行。芸能界入りの経緯や映画『ファンファーレ』の見どころ、将来の夢などを語ってもらった。

 

オーディションに落ちて悔しくて号泣

――まず、外原さんが芸能界への憧れを持ったキッカケを教えてください。

外原 明確に「女優さんになってテレビでお芝居がしたい」と思ったのは小学6年生のときです。私は幼い頃から目立ちたがり屋で、幼稚園のときに芦田愛菜さんの『ステキな日曜日〜Gyu Gyu グッデイ!〜』のミュージックビデオを見て「自分もこんなふうにキラキラしたい! 私も愛菜ちゃんになりたい!」と思ったんですよ(笑)。それが一番最初に抱いた憧れですね。

――小学6年生のときに、明確に女優になりたいと思った理由は?

外原 ある事務所の大きなプロジェクトがあり、そこに母が私のエントリーシートを出したんです。すると最終審査まで進んで。そのときは「わぁ、やった~!」くらいの気持ちで楽しんでいたんですけど、結局、最後でスパッと落とされ、そこで初めて悔しい気持ちを味わいました。東京から地元・鹿児島に帰るまでずっと泣いていて、「ここで諦めてたまるものか! 絶対に叶えてやる!」と強く思ったのが小学6年生でした。

――そして、中学2年生でスカウトされ、現在の事務所に所属が決まったそうですね。

外原 母がオーディションサイト「Deview」に私のプロフィールを登録していて、それを今の事務所の方が見てくださり、連絡をいただきました。そして、わざわざ鹿児島まで来てくださって「もし所属していただけるなら、こちらは全力でサポートします」と。もうびっくりしました。それまでは自分が選んでもらう側だったのに、「所属するかしないか決めていいよ」とこちらに選択権を委ねられたので、すごく不思議な感覚でした。

人生が変わる選択だったので、すぐには決断せず、ちょうど同時期に他の事務所さんからも声を掛けていただいていたのでお会いしたんですけど、最終的に今の事務所に「所属させてください」とお伝えしました。そして、中学卒業と同時に母と2人で上京しました。

 

――外原さんは現在、高校2年生。東京で高校生と芸能活動を両立させる今の生活はいかがですか?

外原 私は高校が通信制なので、登校が週に1回程度なんです。文化祭も体育祭もなく、「中学生から飛び級で大人になった」みたいな感覚ですね。でも、寂しさとかはありません。この道を選んだのは自分だし、お仕事をすることが自分にとっての青春なので。ただ、給食はもう一回食べたいなって思います。中学時代に食べていたコッペパンやワカメご飯、煮込みうどんをまた食べたい(笑)。

――鹿児島と東京では街並みや雰囲気も大きく違うと思います。

外原 そうですね。電車の乗換も、たまに間違えますけど今ではサクサク行けるようになり、行動範囲も広がって楽しいです。ただ、東京に慣れすぎるのも怖いなと思っていて。私が住んでいた地元は人同士の関わりが深くて、すれ違う人全員に「おはようございます」と言ったり、知らないおばあちゃんに「おかえり」と声を掛けてもらえるような土地だったんですよ。だから、東京に来た当初はなかなか慣れなかったし、今でも鹿児島で培った温かさは忘れないように意識しています。