犬にウケる飼い主・ウケない飼い主

▲犬にウケる飼い主とは? イメージ:PIXTA

では、犬が喜び、ウケる飼い方をしてくれる飼い主さんとは、具体的にはどんな人なのでしょうか。

それは「犬によけいなストレスを与えない人」と「犬がストレスを受けないように教育できる人」です。

ただし、どんなに気をつけていても、犬がまったくストレスを受けないということはあり得ません。人社会で生活していくためには、ストレスにさらさないことばかりを考えるのではなく、ある程度ストレスに対する耐性を育ててあげることのほうが大切です。

飼い主が守り過ぎたりしてストレス耐性のない犬は、結果的にはいつか大きなストレスを受けてしまうことになります。

子犬の頃からそれぞれの犬の許容量に合わせ、さまざまな刺激を経験させながらしつけをしていくこと。それが「犬がストレスを受けないように教育できる人」であり、おおらかでたくましく生きていける犬を育てることにもなります。

以下に、犬にウケない飼い主さん・ウケる飼い主さんのモデル像をあげてみます。

犬にウケない(嫌われる)飼い主さんの態度・ワースト8

  1. 専制君主のようにふるまう(威圧的に接する、体罰でしつけようとする)
  2. 四六時中かまいすぎる(過干渉、犬を放っておかない)
  3. 自己満足を押し付ける(犬に依存しすぎる、自分の好き勝手に解釈し多くを求める)
  4. 常にテンションが高い(激しくさわる、大きな声を出してばかりなど)
  5. 人社会に適応できるための教育(社会化、しつけ)を行わない
  6. 活動性が低い(あまり体を動かさない、家の中にばかりにいる)
  7. 関わり方、接し方に一貫性がない(気分によって犬の行動を容認したり怒ったりする)
  8. 神経質になりすぎる(犬の行動を過度に問題視する)

また、ちょっとしたことですぐに犬の行動を問題視し、その行動を過剰に変えようとすると犬も息苦しさを感じます。人間の子どもと一緒で、ある程度おおらかな気持ちで成長を見守る姿勢も大切です。

抱えている問題が、本当に自分や犬にとって問題なのか、周りの情報にとらわれすぎていないか、よく犬を観察し考えることも必要です。

犬にウケる(好かれる)飼い主さんの態度・ベスト7

  1. むやみやたらにさわらない(犬がさわってほしいときにさわってあげる)
  2. 多くを求めない(愛犬の性格を見極め、自分の都合で多くのことを求めすぎない)
  3. 一緒に遊び、運動をしてくれる(散歩だけでなく共に体を動かす)
  4. 望ましい行動をほめる(食べ物や遊びなどのごほうびを与え、本能的欲求を満たす)
  5. 【5】適度な距離感を保つ(関わるときと関わらないとき、近くにいるときと距離をおくときのメリハリがある)
  6. 一貫性のある接し方をする(飼い主にも犬にとっても望ましいことを習慣化する)
  7. 子犬の頃から社会化教育、しつけを行う(さまざまなものに慣らす。人社会で受け入れられる行動をほめて教育する)
▲余計なストレスを与えないことが基本 イメージ:PIXTA

ウケない態度の逆を行けばいいわけですが、犬と良好な関係にある飼い主さんたちを見ていると、けっして愛犬にベタベタしすぎず、ある程度距離をもって接している点が共通しています。

遊びを楽しむときは一緒に思いきり遊び、マナーを守るべきときは毅然と接する。さらに愛犬を自分の所有物扱いにせず、自立した個性として尊重し、ある程度の自由を認めてあげる。そうした態度が犬にとってもストレスがなく快適なのです。

以上のような気遣いができる飼い主さんこそが、犬に“ウケる”飼い主さんといえるでしょう。