多方面で活躍する大人気お笑い芸人EXITが現在、街を元気にする全国活性化ツアーを開催中。NewsCrunchではそのツアーに完全密着しています! 7ヵ所目となる今回は、最高級ブランド米の生産地、新潟県・魚沼市をぶちアゲます!

ツアーのジンクス「方言コーナー」は必ずスベる?

16時30分になり、魚沼でのライブがスタートした。

オープニングナンバーは『SUPER STAR』。前回の浜松までは『なぁ人類』で幕開けだったのだが、この曲も『ミュージックステーション』や『CDTV』などいくつかのTV番組で披露されていたこともあって、もはやおなじみの曲という感じ。客席の反応もとても良い。りんたろー。が「魚沼ー!」と叫ぶと、会場の雰囲気が一気に熱を帯びる。

▲ライブはミニアルバム『GENESIS』収録の『SUPER STAR』でスタート!

1本目の漫才冒頭では、魚沼市長の指導のもと、コンバインで稲刈り体験をした話を披露。キャラ強めの市長とのやりとりが笑いを誘う。

そして地元の奇祭『しねり弁天たたき地蔵祭り』を見学した話では、EXITには珍しくシモの話で場内が大爆笑(というか、祭りそのものが子孫繁栄を願うものなので、おのずとそういう話になる)。

りんたろー。が「めちゃくちゃシュール」と振り返り、兼近が「俺、御神木の形しか印象に残ってないのよ」と言っていた祭りの詳細については、各自ネットで調べてください。

▲午前中に体験した稲刈りと祭りについて話す2人

毎回恒例の『方言男子』のコーナー(スタイリッシュな映像に合わせて、2人がご当地のギャルをときめかせる言葉を発する)は、りんたろー。が「渋谷はハチ公だけど、新潟は忠犬タマ公っしょ」。

ところが、会場からはあまり笑いが起こらず(その理由は後述)、「ちぃとばかで良いっけ、付き合ってみ(=ちょっとでいいから付き合って)」も、ややウケといったところ。続く兼近は、機材のトラブルで映像が突然止まって音声だけになってしまい、ブルーの画面だけが映し出されることに。

そのアクシデントもさることながら、音声だけで「血液型? ……新潟!」という方言まったく関係ないダジャレが放たれたため、失笑の波が広がった。映像が無事に戻って2本目の「俺んこと好きになってくれてば、ぜってー幸せにするて!」では、今ひとつピンときてないようではあったものの、拍手が起こって盛り上がる。

一連の流れを受けてりんたろー。が「方言のやつは毎回ウケない! 俺がスベりすぎたせいで、おまえ真っ青になった!」と、先ほどのアクシデントを一層大きな笑いに変えていた。さすが。

▲りんたろー。がスベリすぎて真っ青になった兼近の図

漫才は『高齢化社会』『眠れない夜』『映画デート』の3本。いずれもやりこんだネタだけにアドリブも多め、当意即妙の掛け合いが小気味よい。彼らの歌や、モデル・俳優業のカッコ良さが際立つのは、EXITの芸の“核”に漫才が揺るぎなく在り、それがしっかりおもしろいからなのだと再確認する。

そして、今回もご当地ネタは冴えまくっていた。3本目の漫才『映画デート』では「映画デートしたい」という兼近に、りんたろー。が「映画デートって言っても、魚沼市に映画館なんかないぞ!」と強烈なツッコミ。さすがにウソだろと思ったが、客席の皆さんは「ウンウン」とうなずいている。

「柳生館(りゅうせいかん)ってところが昔あったけど潰れたんだよ。だから、映画を見るのには車で1時間くらいかかる『アピタ』まで行かなくちゃいけない」という、ご当地事情に精通したりんたろー。に、観客はまたまた「そうそう!」と若干興奮気味にうなずいていた。

やっぱり「あるあるネタ」は強い。それが地元ネタならなおさらで、地元民が多いツアーでは、笑いに強い一体感が生まれる。

以前、兼近が言っていた「地元で楽しい思いをして、自分の街が好きになって、そこからまた自分の日常を好きになってくれれば」という言葉を思い出す。『地域活性化ツアー』は、名目的には「街や地域を盛り上げる」ということだが、街や地域を作っているのは人。つまり、人の心を活性化させることが本質なのだ。

▲地元の映画館事情まで触れてくれたEXITに地元の人は大喜び

地元出身の英雄、おばたのお兄さん登場!

ライブ後半には、魚沼市小出出身のおばたのお兄さんが登場!

会場の人たちも「来た!」という感じで大興奮。最初にEXITが出てきたときと同じくらい盛り上がっていた。

おばたのお兄さんは、挨拶がわりに小栗旬のモノマネを披露。その間、EXITの2人は邪魔にならないようステージの脇にスタンバイする。

それに気づいたおばたのお兄さんは、すかさず「僕の時間だと思って、2人ともライトが当たらないところに移動してる!」と指摘、その気遣いに「本当に素敵な人たちだね。EXITがみんなに愛される理由がわかった」と、いたく感激していた。

▲魚沼出身のおばたのお兄さん。俳優の渡辺謙さんは中学の先輩だそう

そしてここから、おばたのお兄さんによる、フリップを使ったネタコーナーに突入。

まずは「新潟(魚沼市)の方言って、田舎臭い感じなんですけど、それを小栗旬が言うとカッコ良くなります」と、いかにも小栗旬が言いそうなセリフを魚沼の方言に翻訳。

例えば「調子に乗ってるな」は「じょっぺになってんな」、「そろそろ帰らないと怒られるよ」は「そろっと帰らんばおっつぁれるいや」と言うそうで、なかなかの方言感。

しかも、小栗旬が言ってもあまりカッコ良くならない言葉を、わざとチョイスしていると思われ、場内は大きな笑いに包まれた。そして「さっきは、かねちの映像が止まっちゃったのと、魚沼の言いかたではなかったんで、もう一回見て正しい言いかたに直しましょう!」と提案。改めて『方言男子』をみんなで見ることになった。

それを踏まえて、おばたのお兄さんがセリフのテコ入れをしたのだが……すみません、なまりすぎてて全然聞き取れず、なんて言ったのかがわかりませんでした(笑)。わかったのは、なんとか真似しようと頑張る兼近の姿が、地元の人たちにたまらなく好感を持たれていたということだけだ。

▲魚沼の方言を使ったフリップネタで会場を沸かせた