共通点は「クレしん」と「テリーとドリー」
――少し話題を変えて、芸人としてのご自身に一番影響を与えているものって、なんだと思いますか?
きん 僕は小さい頃からお笑い好きで、けっこう見てたんですけど。
原田 僕はそこまでお笑い好きってわけじゃなかったんですよね、普通に見てたくらいで。
きん ふたりに共通してるのは『クレヨンしんちゃん』ですね。あと『笑う犬の生活』の「テリーとドリー」。
原田 子供の頃に一番笑ったのが「テリーとドリー」のコントかもしれないですね。ワチャワチャしてる感じ。
――原田さんはプロフィールの趣味欄に「漫画」とありますが、漫画がお好きなんですか?
原田 そうですね、漫画好きです。
――好きな漫画家っていますか?
原田 ムズいっすね……、藤田和日郎先生も好きだし、新井英樹先生も好きです。でも好きなの答えるのってパッと出てこないですね(笑)。
芸人を志すのはイバラの道やで!
――おふたりの雰囲気だと、あまりプライベートの自分を出したくないんじゃないかと思うんで、深く聞くの心苦しいんですけど(笑)。たぶん今回優勝したことで、ビスブラのネタを見て、芸人を志す子どもたちが絶対いるだろうなって思って。
原田 それで言うと、“芸人はやめとけよ”って思います(笑)。僕らがきっかけなら余計に思います(笑)。
きん そうっすね(笑)。「イバラの道やで」って言いたい。
原田 そこは、きんと一緒ですね。「めっちゃムズいで」って(笑)。
――そうなんですか!? かなり意外というか、外側から見たイメージでいうと、賞レースも優勝したタイミングで、今が一番楽しいんじゃないかなって思うんですけど。
原田 いや、楽しいは楽しいですよ。例えば、昔は技術とか、いろいろなものが追いついてなかったけど、今は思い描いた理想に近い形でできるから楽しいなって思います。ただ、昔は思いついてネタ披露してスベっても「これおもろいけど、ウケないのは俺たちに技術がなかったんや」で言い訳できてたのが、理想の形で披露してもウケないことがわかって(笑)。「あ、根本おもんなかったんや」って気づくことができるのも良かったです。
――おふたりともお芝居が上手ですよね!
原田 それでいうと、きんがめちゃくちゃ芝居ウマなりました。
きん 養成所の頃から「お前の芝居が下手すぎる」ってダメ出しをずっと受けてたので、そう言ってもらえるのは良かったなと思います。
――何かきっかけはあったんですか?
きん 1度、先輩のお芝居に出る機会があって、プロの演出家さんにみっちり稽古してもらって、それを経てだいぶ変わった気がします。
原田 きんには、もっといろいろな役を僕が考えることができるし、まだまだ幅がたくさんあると思うんですけど、僕自身はまだ自分の中の何パターンかの役しかやってないような気がしてるんですね。だから、もう一段階成長するとしたら、今度は僕の演技かな、と思ってます。
――今の話も、原田さんがきんさんをすごく自然に褒めているのが良いなと思ったんですけど、お互いの良いところをお聞きしてもいいですか?
原田 なかなか恥ずいっすね(笑)。
きん 原田は、僕とほかの芸人を区別しないのが良いな、と思います。相方だからどうとかないんですよ。すごくフラットに見てくれる。「コンビだからこうしてくれ」とかなくて、僕が何か聞いても、イチ芸人としてアドバイスしてくれるし、話を聞いてくれる。だから信用できるんですよね。
原田 きんの良いところ……あのー、自分は自分で書いたネタ面白いな、って思うんですよ。でも、これ万人を笑かす用じゃないで、ってときがあるんです。例えば、ほかの芸人さんに聞くと、ネタ合わせしたら「これわかりにくいで」って相方に言われた、とか。でも、きんはそういうネタも含めて、唯一、僕の面白いと思うことを全部捉えてくれてますね。基本はネタを持っていったときに、きんが笑ってくれたら、“これは間違いないな”って。