解禁されたら7兆円規模の市場になると予想

2020年10月、メディア事業を手掛ける株式会社サイバーエージェントが、日本でスポーツ・ベッティングを解禁した場合の国内市場規模を試算し、発表しました。それによると、日本国内は最大7兆円規模の市場になると推計されています。

世界の市場も見据えた開放的なスポーツ産業に発展していく可能性を妨げているのが、現行の法律です。現在、法律によって賭け事が認められた公営競技は、競馬・競輪・競艇・オートレースの4事業です。スポーツ・ベッティングとは少し違いますが、宝くじも公営です。

運営しているのは、法律で認められた特殊法人や地方公共団体で、地方公共団体が実施するものは収益の一部が地方自治体の財政資金となります。地方公共団体以外の運営法人は、役所の天下り団体でもあります。先に紹介したtotoも同様です。

▲競馬は法律によって賭け事が認められた公営競技 イメージ:PIXTA

一方、スポーツ・ベッティングを運営するブックメーカーは民間事業者です。現在、日本の法律では、この4事業以外に民間での賭博サービスを認めていません。

オンライン・ベッティングの普及が後押しになるか

民間事業者が賭場(とば)を運営するという点では、平成28年(2016)に成立した統合型リゾート(IR)整備推進法という法律があります。

「カジノ法案」と通称されたりもしますが、要は観光の振興が目的です。シンガポールやマカオのように、宿泊施設・国際会議場・劇場・映画館・飲食店のような商業施設、スポーツ施設が集まった複合型リゾートのなかに、カジノが含まれている内容です。

なぜ、民間事業者でも賭場を運営してよいのかというと、室内施設であることや、事業者による公正な実施、偶然で勝負が決まるといった細かな要件を定めたうえで、自治体が申請し、政府が認定する手続きとなっているからです。なので、IRは運営事業者が特定の条件のもとで4事業から一部広がる程度なのです。

スポーツ・ベッティングは、偶然で勝敗が決まるものではありません。各々のチームでプレーする人たちは、いってみれば専門家です。専門家が技術を争い、鎬(しのぎ)を削って最終的な結果が生まれます。賭ける側もよく見て、分析をして賭けます。そこでIRとは少し違う基準が必要なのです。

規制を考えるのではなく、きちんとした産業として育てていくことは、日本のスポーツの活性化にもつながります。スポーツ事業が活性化すると関連産業も振興するようになります。

実際に、新型コロナの自粛で公営競技は動員人数が大きく落ち込んでいるにも関わらず、オンラインサービスの利用により売上高は大きく伸びていることが指摘されています。

民間事業の参入を規制しているということは、その産業をまるごとひとつ潰しているのと同じです。規制は悪徳事業者の横行を防ぐだけに留めて、社会の利益になる事業として育て産業を発展させることで、国民はサービスを楽しむことができますし、経済活況の恩恵を受けることもできます。

もちろん、政府にも税収が入ります。サービスを利用することで、これまで関心のなかったスポーツの分野にも、どんどん興味を持つ人が増えるかも知れません。

オンライン・ベッティングの普及は、オンラインでいろいろなことをするという、コロナ禍の中で生まれた新しい文化のうちのひとつに、スポーツも加えることになるのです。今までの堅苦しい規制をなしにして、ブックメーカーを解禁することも日本経済復活の方向性のひとつになり得るのです。