敷地内にコラボ企業や団体によるマルシェ(市場)

香川県の東端に位置する、東かがわ市は人口3万人弱。海も山もある自然豊かな地域である。高松空港に降り立ち、高速バスで高松駅へ。そこからJR高徳線に乗り、約1時間のところにある三本松駅で下車したのは正午近くのことだった。今朝、家を出たのは6時半だったので、ここまで実に5時間半。改めて遠くまで来たなぁと思う(今ツアー片道最長記録)。

本来なら、東かがわ市の名所を訪ねてから会場入りしたかったのだが、今回は敷地内にコラボ企業や団体によるマルシェが立つというので、そちらの取材に注力することに。会場の『白鳥中央公園体育館』に着くと、そこは既に多くの人で賑わい、まさに“フェス状態”になっていた。

▲よく晴れた日、マルシェにはテントが並び野外フェスの様相

体育館前には、さまざまなコラボ商品を販売するテントが並んでいる。中央にはなんとDJブースもあり、地元のDJが軽快なダンス・ミュージックを流して、皆さん早くもぶちアガっている。

昨年から、ありとあらゆる催しがコロナで中止になったので、青空の下、こうしてみんなで集って楽しむのは久しぶりのこと。この公演は、もともとは8月に開催される予定だったのだが、コロナの影響で延期されていただけに感慨もひとしおである。改めて、無事に開催できて良かったなと思う。

グッズはピンクから売れる「かねち売れ」

まずは観光協会のテントを訪ね、東かがわ市のことを学ぼう。応対してくれた小松さんに「東かがわ市には、どんな魅力がありますか?」と聞くと、彼女は「環境が良くて住みやすいということですかね。気候も温暖で災害もほとんどないですし」と答えてくれた。同協会の尾崎さんは、それに補足するように「一番は住んでる人の人柄です。距離が近いというか、お節介なところかな」と笑った。

聞けば、東かがわ市は八十八箇所の一番札所、霊山寺(りょうぜんじ)と八十八番札所の大窪寺(おおくぼじ)に挟まれており、東かがわ市自体には札所はないものの「“通り道”って言われていて、巡礼者の“お接待”をする風習がありますね」と話してくれた。

今回、東かがわ市は本ツアー開催地屈指の熱さで、コラボ商品の数もダントツ、事前の取り組み報告や来場者のケアなどもとても細やかなのだが、なるほど、このホスピタリティは、東かがわ市の土地柄に起因するものなのだと得心した。

ちょうどお昼時ということもあって、まずは何か食べようと、事前情報で気になっていた「チャラ弁」の販売テントを訪ねる。

これ、実物を見てぶっ飛んだのだが、めちゃカワイイ! カラフルなあられをまとった海老揚げ、バラの形に盛り付けたローストビーフ、きゅうりの皮で作った「EXIT」の文字がのった海老寿司。そして、これまたEXITのロゴがピンク色で描かれた大きな卵焼き。食べてみてまたびっくり。ちょっとこれ、見た目以上に味も素晴らしすぎない?

特に、だし巻き卵の味わい深さといったら筆舌に尽くしがたい。何度も試作を繰り返したと聞いたが、青空の下でこんなおいしいお弁当を食べられるなんて、ホント最高だ。

▲チャラ弁。卵焼きの上の文字がちょっと崩れてしまったが、見た目も味も素晴らしい逸品

チャラ弁を堪能したあとは、お土産に三本松の老舗和菓子店『巴堂』の「チャラ大福」3個セットを購入した。その名の通り激チャラな色をしているので一瞬ビビるが、みかんが丸ごと一個入っている大福は、爽やかな食感が清しい逸品。見た目と味のギャップも楽しく、持ち帰ったら家族もおいしい! と喜んでいた。

▲みかんが丸々一個入っている巴堂の「チャラ大福」

それにしても、これまでいろんな地方を訪ねたけれど、こんなにもコラボアイテムが多いところは初めてだ。うどんやドレッシングといった食品から、バッグ・ポーチ・手袋・クッションなどのグッズまで多種多様。

ハンドクラフトのコラボグッズを統括しているセトウチメーカーズさんに売れ筋を聞いてみると「化粧ポーチのピンクがNo.1です。なんでもピンクからなくなりますね」とのこと。いわゆる「かねち売れ」というやつである。すごいな。

▲コラボ商品を販売するセトウチメーカーズのテント