道の駅での楽しみといえば、売店で買えるご当地グルメですが、その土地ならではの新鮮で安い食材も魅力です。日本全国1000ヵ所以上の道の駅を回った浅井佑一氏に、これまで食べてきたものから厳選した、北海道の「道の駅」で買えるオススメ食材を2つ教えてもらいました。

※本記事は、浅井佑一:著『何も決めない、気の向くままにクルマでふらりと道の駅』(雷鳥社:刊)より一部を抜粋編集したものです。

キャンピングカーならではの道の駅グルメ

2014月の3月に道の駅巡りをスタートしたとき、ボクが決めたルールのひとつが、食事は道の駅で食べる、ということでした。

道の駅にあるレストランや食堂で、ゴハンを食べながら旅をしていました。午前の早い時間や夕方過ぎでレストランなどが営業時間外の場合もあるので、道の駅で売っているお惣菜、野菜や肉、魚などの食材を買って、キャンピングカー内で調理することもありました。

いずれにしても道の駅で食べられるもの、売っているものを食べながら旅をしたわけです。

海沿いの道の駅に行くと、新鮮な魚介類がたくさん売られています。しかも安いものばかり。車内でさばくと生ゴミがたくさん出るので、お店で三枚に下ろしてもらって、刺身やソテーにして食べることもありました。

野菜は、サラダや炒め物にして食べ、道の駅で売られている生鮮品の新鮮さをあらためて感じることができました。車内で調理できるのは、キャンピングカーならではのメリットですね。そんなふうにして道の駅グルメを十分に楽しみ尽くしました。ミニバンなどで車中泊する人も、お惣菜を買って車内でゴハンを食べることができます。

▲キャンピングカーならではの道の駅グルメ 出典:たけぽん / PIXTA

ここでは、北海道にある道の駅で素材を購入して車内で調理したもののなかから、印象に残ったものを2つご紹介します。ボクが1000ヵ所以上の道の駅を回って、食べたものから厳選したものなので、北海道の道の駅巡りの参考になればうれしいです。

〇生ウニ みなとま~れ寿都(北海道)

▲パックが二重構造になっていて、内側を持ち上げるとザルのように水が切れて、ウニだけが残る仕組み

獲れたてのウニの殻をむいて、海水につけてパックしたものが売られていました。海水ウニとも呼ぶそうです。都心で食べるものは、ほとんどがミョウバンに漬けてあって、薬くさく感じる人も多いですよね。

キャンピングカーのなかで、ご飯を炊いて、この海水ウニをのせてウニ丼にして食べたのですが、磯の風味がそのまま口の中に広がりました。しかも安い! 道内のほかの道の駅でも海水ウニを見つけましたが、ボクが見たなかでは、みなとま~れ寿都のものが一番お買い得でした。ぜいたくなウニ丼、ぜひ試してみてください。

〇蒸しカキ しかべ間欠泉公園(北海道)

▲カキのほかに卵やカニのむき身が入った饅頭などが売られていました。温泉調理、ぜひ体験してください

駅内に高さ15mの間歇泉があります。間歇泉がある道の駅は全国でもここだけ。そして、ここにはもう一つ珍しいものが。それは温泉の蒸気を利用した蒸し器です。売店
で購入した魚介類を蒸し器に入れ、調理して食べることができます。

道の駅内にある売店で噴火湾産のカキを購入して、ザルごと蒸し器にセット。温泉の蒸気によってカキのうま味が凝縮するようで、プリプリの食感とともにカキの濃い味が楽しめました。