道の駅・ソフトクリーム評論家としてTV番組にも出演したことのある平賀由希子さんに、旅のプロの目線から見た、年末年始にオススメの旅気分を味わえるドラマ3選を紹介してもらいました。

運転に不慣れな初心者の様子がリアル過ぎ

▲日本をゆっくり走ってみたよ ~あの娘のために日本一周~ [amazonホームページより]

旅が好きな人はきっとハマると思います! 私も最初は人からオススメされて見始めたのですが、面白くて一気見しちゃいました。Amazonオリジナルのドラマ『日本をゆっくり走ってみたよ ~あの娘のために日本一周~』。主演は濱田岳さんで、ある目的を達成するためにバイクで日本を一周する、というストーリー。

物語は、恋模様や人間模様も繰り広げられるわけですが、それはさておき、同じ旅人として共感する点がたくさんあるんです。

まず初めに、濱田岳さんはこの作品を撮影するために、自動二輪の免許を取りに行ったそうなんですが、一般道を走ったのは1日だけということで、最初の頃の運転に不慣れな様子はまさにガチ。初心者の様子がリアル過ぎて、自分が初心者だった頃を思い出しました。

私も北海道で立ちごけして、ほかのライダーさんに助けてもらったなぁ(笑)。旅のあいだは基本テント泊なのですが、最初の頃はテントの設営もままならなくて、そのあたりも自分の初めてのキャンプツーを思い出し共感しました。バイクの運転だけでなく、キャンプの上達具合も見ていて面白いです。こんなキャンプギア使ってるんだ~っていうのも、登場するバイクもすごく気になっちゃいます。

この作品で一番見て欲しいポイントは、日本各地の風景の映像。北海道を走るシーンは特におすすめです! 雄大な北海道の風景は見ていて本当にいい映像。ところどころ挿入される風景の静止画がまたいい写真で。

見ていると旅に行きたい気持ちが“より一層”強まります。私も全都道府県には行ったので「あそこにまた行きたいな~、懐かしいな~」と行った先を思い出します。特にバイクで走っているシーンは、同じライダーとして旅欲が刺激されます。

私もバイクに乗り始めた頃は、バイクで日本一周をしてみたい! そう思っていました。でも結局、時間もお金もなくて1か月間の道の駅旅が最高記録。日本一周って、時間もそうだし、何か大きなキッカケがないと絶対にできないと思います。それを決断して旅に出る。それだけでも主人公に憧れてしまいます。

主人公が旅先で出会う人々も「こんな人いる~! こんな出会いある~!」。そんな人たちが登場します。ライダー同志、駐車場やフェリーで声を掛けられることが多かったりするところも、旅人あるあるで面白いです。同じ旅人として、すごく共感ができる作品です。

夜中に見てしまうと、完全に飯テロ状態!

絶メシというのは、絶滅してしまいそうな絶品メシのこと。平日にくたびれたサラリーマンが、週末に絶メシを求め車中泊の旅に出る。『絶メシロード』は、そんな物語です。ルールを3つ、自分に課しているところもおもしろい。

  1. 期間は金曜帰宅後から土曜の夕方まで
  2. 誰も誘わない、誰も巻き込まない
  3. 高速代、ガソリン代、食費を含め、小遣いの範囲内に収める

なので、宿代は節約して、車中泊で旅をしています。

金曜日の仕事後にスーツを脱ぎ、ネクタイを外した時の開放感いっぱいの主人公の顔がたまらないです。金曜日の夜って、そんな感じですよね。仕事からも家族からも解放され、好きな場所に1人で向かう。ちょっとの時間、それが近場だとしても自由気ままに旅に出ると、ものすごくリフレッシュできる気持ち、よくわかります。徐々に車中泊用のアイテムが増えていくところなど、週末一人旅を大満喫している様子がとても楽しそうです。

この作品のポイントは、実際に存在するお店が登場すること。なかには、自分が実際に行ったことがあるお店が出てきたりして「ここ食べに行ったところだー!」なんてテンションが上がったり。気になったお店は、グーグルマップの行ってみたいリストに保存。やはり旅にはおいしい食事は欠かせないので。

私も、旅先では地元の常連さんが多そうなお店を探すことがあります。常連さんが多いお店って当たりのことが多いんです。今はスマホでお店の情報を事前に調べることができるので、大外れっていうことはほとんどないですが、主人公は直感で店選びをするので一か八かの大勝負。そこまでは、なかなかマネできないですね……。

食べているシーンは孤独のグルメ同様、心の中の声がナレーションで流れます。夜中に見てしまうと、完全に飯テロ状態。お腹が空いてきちゃいます。

車中泊といっても、主人公が乗っているのはノーマルのワンボックスカー。後列シートをフルフラットにして、エアーマットを敷いて寝ています。車中泊の旅はしたことがないけど、このくらいなら私にもできるかも。週末の1泊2日のプチ旅、チャレンジしてみたくなります。作品にはカスタムしたワンボックスのキャンピングカーも登場。こんな車で全国を旅してみるのも楽しそうです。

店主や常連さんとのやり取りも、絶メシ旅のいいエッセンスになっています。この作品を見たあとは、絶メシ探しに出かけたくなること間違いなしです。