『占いメガネ』(TBS系)、『占いリアリティーショー どこまで言っていいですか?』(テレビ東京系)などのテレビ番組にも出演し、これまでに8万人の鑑定実績をもつ話題の占術家「暮れの酉(くれのとり)」が、初の書籍『暮れの酉の繊細な人のための鳳凰数術占い』を3月24日に発売した。
タイトルに“繊細な人のため”と明記しているように、常に優しい語り口で、たとえ少しネガティブな結果でも、その解決法まで導き、読む人の心に寄り添うような内容となっている。
彼の行う「鳳凰数術(ほうおうすうじゅつ)」とは、どのような占術なのか、なぜ独自の占術をするようになったのか、そして、どうして“繊細な人のため”なのか、などを暮れの酉に語ってもらった。
「鳳凰数術」は誕生日と名前でみるハイブリッド占い
――最初に「鳳凰数術」という占術が、どのようなものかを教えてください。
暮れの酉 お誕生日とお名前でみるハイブリッド占いです。例えば星座占いとか、誕生日で占う方法はよく聞くと思うんですけど、僕自身、小中の同級生に4人も同じ誕生日の人がいて、「同じ誕生日でも全然違うじゃん」って疑問に思っていたんですね。この鳳凰数術では、生まれた日だけではわからないことを、お名前を組み合わせることによって、より詳しくみていくことができるんです。
姓名判断というのもよく聞くと思うのですが、お名前にはそこに込められた意味があるんです。簡単に言うとお名前を9種類の動物に分けて、お誕生日を9つの性質に分けて、それを組み合わせた81パターンでみていく占いです。
――生年月日と名前を組み合わせる方法は、どのようにして生まれたのでしょうか。
暮れの酉 じつは、僕がすべて作ったわけではなくて、基になる考え方は、僕が高校生のときに占いに興味を持って、習いに行った先生から教えてもらったものなんです。おじいちゃんのように慕っていた先生だったんですけど、「人の性質が誕生日だけで決まるわけないやん。名付けた親の想いとか、願いを込められた名前が絶対に影響する」と。
誕生日は生まれてきた意味を知るものですけど、そこに家族の願いも加味しないと、その人が見えてこないと教えてくれました。この考え方を基にしつつ、僕は今年で占い師になって20年になるんですけど、その間にいろんな方を占わせていただくなかで、僕独自の方法を織り込みながら完成させました。
占いとの出会いは高校生のとき「自分だけ何もないやん」
――「高校生のときに占いに興味を持った」とおっしゃいましたが、何かキッカケがあったのでしょうか。
暮れの酉 高校生になって、周りのみんながどんどん進路を決めていくなか、「自分だけ何もないやん」っていう不安があったんです。そんなときに、ふと訪れた本屋でタロットカード占いの本を手に取って、そこから占いに興味が湧いて、占いの学校に行ったんです。
そこで、先ほどお話しした先生と出会ったんですが、初対面にも関わらず僕のことをズバッと当ててくれて。じつは僕の家は家庭事情が少し複雑なんですけど、あまり自分から人に言ったことのないようなことも当てられて、そこからハマっていきました。
それが高校2年生のときだったんですけど、徐々に友人とかを占うようになって、学校の文化祭で占い屋さんを開いてみたら行列ができたりもして、自分には占いが合っているのかも、と思うようになったんです。
あとは、自分がよくクヨクヨしたり傷つきやすいところがあったことで、友人たちの悩みがよくわかるというか、しんどいことがわかるから励まし方もわかると思ったんですね。自分だったら、こういうふうに言われたらうれしいな、というのがわかるから、自分のクヨクヨしてしまうところも無駄じゃないんだな、と。誰かの役に立つためにはしんどいことも必要なんだ、と。
そういう気づきもあって、ようやく自分の居場所を見つけた気分でした。それからずっと占いを続けているので、醒めない夢を今も見続けているのかな、とも思います(笑)。
――最初に触れたタロットではなく、鳳凰数術を極めることになったのはなぜですか。
暮れの酉 タロットも楽しいんですけど、その人がどんな人かをみるにはあまり適さないんです。偶然引いたカードに近い未来はうつるけど、偶然引くものだからこそ「自分はどんな人ですか」というような、変わらないものに対しても、そのたびに違う答えが出てしまうんです。
でも、生年月日やお名前は基本的には変わらないものなので軸ができる。変わるものって不安にもなりますよね。この占いは変わらないからこそ、僕にとって自分というものを客観的に見つめる、いい道具になってくれたんです。