自分の性格が変われば人生が変わる

――性格は変えられるということですね。でも、意外とそのことに気付けない。

馬渕 「失敗」というのは、つまりは「性格の失敗」なのです。考えてご覧なさい。僕自身がそうだから自信を持って言うのだけど、僕の失敗は僕の悪い性格のせいなのです。他人のせいではない、社会のせいでもない、親のせいでもない。自分のせいなのですね、実は。

皆さんも誰かに相談したときに、「それはお前のせいだよ」と指摘してくれる人は周りにいるだろうけど、なぜそれが自分のせいなのかは誰も解説してくれないでしょう。

だから、代わりに私が答えるとすればね(笑)、「ご自分の性格がそうだからですよ」ということなのです。しかも、性格は変えられるのです。自分が気付いて努力すればね。

すると、人生が変わります。人生が変われば運命が変わります。別に「運命」って言わなくてもいいですけどね。だから、今の人生を嘆くよりも、嘆いている原因に気付いたらどうですか? ということですよ。そんな難しいことではないはずなのだけど(笑)。

▲自分の性格が変われば人生が変わる イメージ:kikuo / PIXTA

真面目な人は見えない施しをたくさん受けている

――「性格で失敗した」ということ自体が意外です(笑)。大使の周りにはすごく良い気が流れていると思うのです。お話を聴いているだけで、気持ちが祓われて清らかになるといいますか。ですので、悪い性格なんてないんじゃないかと感じていました。これまでに、ご自身を磨かれたりとか、葛藤されたりとか、そういう時期もあったのですか?

馬渕 未だにありますよ(笑)。だって、100%良い性格の人なんていないわけだし、僕だって割合はわかりません。良くない部分もたくさんあると自分でも思っています。良くない部分とそうじゃない部分があって、できるだけ良くない部分を減らそうと、未だに努力していることにおいて差が出てくるだけの話でね。

「善徳を積む」とか言うでしょう。少し周りの人に親切にしてあげるだけでもいいのですよ。同じマンションの住人に親切にしてあげるとね、別のときに、別の住人が僕に親切をしてくれるわけです。まったく別人だけど、親切のエネルギーが伝わって返って来る。

もっと俗な例で言うとね、どこかに行くのに時間がギリギリ、6時半なら6時半ギリギリというとき、どういうわけかちょうどいいタイミングで電車が来るのです。不思議なことに。

昔はそういうことってなかった。いつも電車が出て行くのをホームで見送って「あ~ぁ」となることのほうが多かった(笑)。統計を取ったわけじゃなく、あくまで印象ですけどね。

――性格が変わると、いろんなことがそれまでと変わってくるのですね。

馬渕 そのような変化、気付きを、そんなの偶然だと笑いたい人は、どうぞ笑ってください。だけども「そうじゃないぞ、この変化は何か自分の生き方と関係があるぞ」と思えれば、自分自身の人生が変わってくるわけです。

つまり……それだけのことなのです。何も難しい話は要らない。難しい本を読まなくていい、ましてや宗教書や哲学書なんて要りません。むしろ、すべてのまともな本は、宗教書であり哲学書だとも言えるわけでね。なんらかの気付きをつかめるのだから。

――じゃあ、逆に考えますと、悪行をするといろんなことがズレていってしまうのでしょうか?

馬渕 それはあるでしょうね。例えば、人を騙して金儲けする人もいますね。それは一時的には儲かるかもしれないけれども、最後までは続かない。

そうすると、低い給料で真面目に働いた人が馬鹿らしい人生を送ったかというと、絶対そうではないはずです。その人は、目に見えないお返しというか、目に見えない施(ほどこ)しをたくさん受けているはずです。

これは皆さんがご自身で実践してみたらいい。そうしたらわかりますよ。何も難しいことではありません。

▲真面目な人は見えない施しをたくさん受けている イメージ:Sunrising / PIXTA

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