11年ぶりに再会したラルクの曲がこれ!

「XXX」(2012 : from BUTTERFLY)

さあ、11年が経ちました。いちばん触れたかったのがこの曲。タイトルの読み方は“キスキスキス”。私をラルクに連れ戻した罪深い曲ですね。シングルリリース当時、渋谷でバイトしていてスクランブル交差点の信号待ちで、ぼーっとビジョンを見てたら、この曲のスポット映像が流れた。

「えらい派手な曲だけど、かっこいいな……。誰だろう。え!! ラルク?!」

再会とはわからないものだね。バイトが終わったらもちろんタワレコに向かいました。こうゆう曲を書くのは、もちろんhydeなんですよ。全く業が深いね。

発端はR&Bを意識した楽曲制作と語っているけど、どう形容していいかわからない、ゴージャスでポップでセクシーなアレンジは、ラルクというブランドの新しい側面を提示した曲になっている。一歩間違えたらヤバそうなチャレンジも、スマートにこなせるのがラルクの凄み。

「Wings Flap」(2015: from Wings Flap)

現時点での最新アルバム『BUTTERFLY』のリリースは2012年2月。ラルクは10年以上アルバムを出していないけど、シングルは2014年から現在まで5曲のアルバム未収録曲があります。

そのなかの「WIngs Flap」は、自分好みなニューウェーブとカリプソが入り混じったhydeとkenの共作曲。このリリースの前後から、hydeのボーカルのボトムが太くなり、以前より力強さを増したと思います。シンセが何本も入っていて、普通ならゴチャゴチャうるさくなりそうだけど、ここもラルクマジックがしっかり発動していて、ひとつの音を追いかけながら聴くだけでも楽しめる。

しかし、歌詞にある「絡み合う熱視線が熱い」って、“頭痛が痛い”ってこと? 本作のC/Wは「HONEY」のボサノヴァアレンジなんだけど、これに関してはノーコメントです。


前後編どちらも、ひどくマニアックなセレクトになりましたが、改めてラルクの奥深さを体感する、良いセレクトになったんじゃないかと考えております。ビジュアルの良さだけじゃなく、各メンバーがプレイングマネージャーとして曲を書ける強みと、ディレクション能力の高さが、ラルクをラルクとして機能させていると改めて考えました。

メンバーも50歳を超えて、更なる進化を期待してしまうのは酷かもしれませんが、残された時間を考えてしまうと、現実的に稼働できる活動も限定されてしまうかもしれないので、まずは次のアルバムを心待ちにします。


プロフィール
Photo by 伊藤由佳
高橋 翔(Sho Takahashi)
1984年9月11日生まれ、神奈川県出身。2007年頃に昆虫キッズ結成。2009年3月、”my final fantasy"にてデビュー。2015年1月の活動終了まで4枚のフルアルバム、5枚のシングル、1枚のミニアルバムを発表する。2021年12月、個人事務所兼音楽レーベル「オフィス翔」設立。2022年1月ソロデビューシングル「キセキ」配信スタート。現在、キャリア初となるソロアルバムを制作中。Twitter:@shotakahashi、Instagram:@0ffice_sho