「これ当たったって勝てねえじゃん」はしない

――『チャリロト』は、どういう気持ちで挑んでいらっしゃるんですか? 芸人として盛り上げなきゃって気持ちは当然あると思いますけど、成績も残したいとなると、バランスが難しい部分もありますよね。

大村 当てることが盛り上がることなんだと思っていますね。週で競ってる(※)ってのがあるから、そこでの勝ちを目指してないっていうのは、視聴者は面白くないと思うんですよね。やっぱ1位を獲りに行く賭け方してないと。

藤田 うん、変な賭け方して面白くしようとするのって、すっげえスベってると思うんですよね。

(※)『チャリロト』は月曜日~金曜日まで、毎日パーソナリティーが変わるため、曜日ごとに収支を競っている。

大村 僕ら金曜日で最終日なんで、全曜日の回収率が出た段階だから、もう目標設定がわかってる。だから「これ当たったって勝てねえじゃん」っていう買い方はしないようにしてますね。

――勝負はデータ派ですか? オンバトやM-1に出てたときも、対戦者のことを研究してた印象が強いんですけど。

大村 そうですね、対策練る派ですね。

藤田 うん、それが一番いいもんね。丸腰でいくよりは。

大村 M-1のときもだいぶ作戦を練って、一番最初は自分たちで噂を流しましたからね(笑)。「トータルテンボス仕上がってるらしい」って。そういう噂を自分たちで撒いて、カリカの林さんから「なんかお前ら、仕上がってるらしいな」って言われたときに、「あ、1周回ったな」って思いましたね。

――そういう策士な部分が、『チャリロト』のような番組でも活きてる気がしますね。ビギナーの方に「こうやって見たら競輪って楽しいよ」というアドバイスはありますか?

藤田 ミッドナイト競輪は基本的に、一番車から強い順で並んでるんですよ。だから、例えば9レースあるとしたら、全部123ボックスで買ってれば当たるんじゃないかな。

大村 あとは、僕らの指南役の元競輪選手とかが情報を教えてくれるじゃないですか。それですよ。それがなかったら僕らも収支が出てないですから。公表されてるデータだけでは今の調子っていうのはわかんないので、そこを指南役の人たちが「前走すごかった」とか「たぶん調子いいと思います」みたいなのを教えてくれる。

藤田 まあ、それを参考にしても、まんま買ってたら面白くないから、そこに自分の色を添えたら、当たったときに一番面白い。

競輪の魅力は人間関係や心理的な部分も…?!

――お二人の考える競輪の楽しさっていうのは、どういうところにあると思いますか?

藤田 ボートレースとか競馬にはない、「ライン」 っていうのがあるんですけど、ラインの仕組みがわかると魅力が増しますよね。

大村 このラインが先行して、このラインは(前に)行くのか行かないのか……こっち行ったときに突っ張って一緒に行くのか、それとも1回前に行かすのか……とかいう展開を自分なりに予想して、もちろん指南役の人に参考意見を聞くんですけど、それが読み通りに来たときは格段に面白さが増しますね。

▲『競輪LIVE! チャリロトよしもと』(BSよしもと265ch)

――競輪の大きな魅力のひとつである「ライン」の読み方を、読者にもう少し説明してくれますか?

藤田 競輪選手っていうのは、静岡とか長崎みたいに、所属のホームグラウンドがあるんですよね。で、だいたい同エリアで来るんで、長崎と福岡で組んで「九州ライン」みたいなのもあるんです。だから仲間なんですよね。で、だいたい前を走るのが若手で、後ろに先輩がついて。先輩を勝たすためにと若手が前を走っていって、で、同じそういうラインが何個かあって、ちょっとチーム戦的な要素もあるし、自己犠牲もあるんですよ。「自分が負けても、この先輩を行かす」みたいなところがある。でも最後のゴール前では、チームが分解して個人戦になる。そこまでは先輩を引き立ててきましたけど、こっからは行かせてもらいます。みたいな。

大村 そのラインが、どう動くかが面白いんですよ。

藤田 チームで予選をやっていて、そのチームが勝ち上がったとき、最後の直線は、この同じチームだった人たちがライバルになるわけです。

――チーム戦と個人戦が一緒に楽しめるんですね。

藤田 面白いですよね。たまにラインを組まない一匹狼みたいな人もいるんです。結局、その3人のラインの一番後ろについてるから、結果これって4車ラインみたいになってる。

大村 一応ラインになった場合、後ろから来るラインをブロックしたりとかする役目があるんですけど、ラインを組んでない人は短期で、それをする義務もなかったりするんです。

――ラインを 組む人と組まない人っていうのは、どうやってわかるんですか? エントリーするときに申告するんですか?

大村 どう行きますか?っていうのを、たぶん記者の人が聞くんだよね。で、「誰々の後ろに行きます」とか、「自力で走ります」みたいな感じで、それが結果、ラインってことになってるという。

――番組では指南役の人がそういうことも教えてくれるんですね。

大村 そうです。教えてくれます。わかってる状態で予想が出てくるんですね。

――わりと複雑な仕組みなんですね。単純に「早い人が勝ち」なのかと思ってました(笑)。

藤田 結局その、ガードする、ブロックする人もラインのためにっていうか、自分が勝つためにブロックするんですよね。最後の決戦のため、ここでブロックしといて、後続のやつらを決勝に行かさないようにする。で、結局、最後は自分で勝負するんです。

――なんだか人生の縮図みたいなのも垣間見えそうです。

藤田 先輩・後輩があるんだよね。あと師匠と弟子っていうパターンも。

――そうなると人間関係のエモいこともありそうですね。

藤田 あります、あります。例えば、初日のレースとかだと、上位3人までが次の日の準決勝に行けるとかあるんで、そうなると最後の決戦は1位をとらなくてもいいっていう考え方がある。だから何日めの何レースとかっていうのも重要なんです。あとは「負け戦」じゃないですけど、負けちゃった者同士がやるのもある。まあどうせ負けてるから、ここでは勝つよりも怪我をしないように走るんじゃないかとか、心理的な要因も加味したり。

大村 そういうことを知ると、ますます面白くなるわけですよ。

藤田 だから初心者の方は、基本的には3車ラインで買うっていうのが、まあ一番当たりやすいですかね。

≫≫≫ 明日公開の後編へ続く


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プロフィール
 
トータルテンボス
大村朋宏(おおむらともひろ)と藤田憲右(ふじたけいすけ)によるお笑いコンビ。1997年4月結成。『爆笑オンエアバトル』や『M-1グランプリ』など、多くの大会でファイナリストの常連として躍動。ブレーク後も全国ツアーや単独ライブで、漫才の腕を磨き続けている。最新情報はTwitter:@fujitaomuraで!