ミラクルひかるとの衝突

もっと売れてテレビに出るためには、オリジナリティーのあるネタを発明しなければいけない。俺に一体何ができるだろう。

まずは、ショーパブの若手で仲が良かったメンバーに声をかけることから始めた。

「新しい演出、ネタ、構成、なんでもいいから、面白いことを俺たちで生み出さないか。ショーパブの歴史を塗り替えようぜ!」

声をかけたメンバーはオードリー、ビューティーこくぶ、ダブルネーム、ミラクルひかる、NINKI KIDS。彼らは俺の提案にすぐに食いついてきてくれた。

そうなったら、すぐさま行動に移すのみ。店長に掛け合って、「俺たちだけの日を作ってもらえないか」と直訴した。当時の若手を評価してくれていた店長は快諾してくれ、こうして、月に一度の「若手デー」が始まった。

当時のメンバーはみな若く、尖っていたんだろう。ケンカもよくした。各々でやりたいこと、やりたくないこと、いろいろとこだわりがあった。それは俺も同じだが、そのなかで一応リーダー的な役割だった俺が全員を仕切る必要があった。

何度目かの打ち合わせの時のことだ。

「こんな構成で、こんなミニコーナー作って、最終的にこんな感じのエンディングでどうだろう」という提案をしたところ、ミラクルひかるが「だったら、こんなのはどうですか?」とさらに提案してきてくれた。

ただ、俺にはいかにも客に媚びた演出に思えたので、「そういうのはやめないか」と返すと、負けん気の強いミラクルは頭に血が上ったようだ。

「営業でメシ食ってる人が、それを否定してどうするんですか?」と突っかかってきた。

俺にもショーパブの歴史を変えたいという理想があったので、議論は徐々にヒートアップ。そんなやりとりが続くうち、次第に腹が立ってきた俺は、ミラクルが座ってるイスを蹴り上げた。「テメーが男だったらぶん殴ってるからな!」イスを蹴り上げた音と俺の怒声が部屋に響く。

シーン。