ドーム公演の重圧との戦い
そして、いよいよオープニングアクト。
ステージ衣装に着替えて、完全にスイッチが入っている4人がステージへと向かっていく頼もしい背中を見て、「本当に立派なグループになったなぁ〜」と早くも涙腺がやられそうになっていたのだが、そこで愛来が「あれ、あれっ?」と変な声を出した。
「さっきからなんか違和感があるなぁ〜、と思っていたら、衣装の表と裏を間違えて羽織っていた(苦笑)」
オープニングアクトの幕が開く、8分前に起きたぽんこつ事案。
ただ、これで緊張の糸がほぐれただろう、と思っていたら、今度は、やりなれているはずの円陣の掛け声に失敗するという、これまたレアなハプニング。ドームの重圧は、そう簡単には拭いされないようだ。
開演。
とはいっても、この時点ではアリーナ前方の客席はほぼ埋まっているが、各ゲートからゾロゾロと観客が入場している真っ最中。あと30分後には本編がスタートしてしまうので、みんな、自分の席を探すことが最優先で、なかなかステージを二度見してはくれない。
メンバーも観客に立つように促すが、酷暑の下でのコンサートであることを考えたら、本編スタートまでは体力を温存したい、と考えてしまうのは当然のことで、なかなか腰は重い。
この日のセットリストは新しめの楽曲を中心に、とにかく「魅せる」ことに特化したプログラムになっていた。ダイナミックかつ繊細なパフォーマンスに魅入ってくれる観客もいたが、入場途中の観客の足を止めることは、やはり難しかった。
それでもしっかりと刺さるステージを見せたことで、1曲ごとに客席からステージに贈られる拍手の量が多くなっていったことは体感できたし、すでに着席している観客は間違いなく二度見をし、そのままステージに注視しっぱなし、というケースがどんどん増えていくのがわかった。
実際、SNS上では「AMEFURASSHI、すごい!」「かっこいい!」という意見が広まっていた。立ちあがったりはしてくれなかったけれど、ものすごく満足してくれた人が、ベルーナドームには想像以上にたくさんいてくれたようだ。
これで終わってしまったら「よかったけど、あともう少しだったね」となってしまっていたかもしれないが、今回は2DAYSなのである。そう、もう1日、チャンスはある。