憧れているのは山崎賢人さんと菅田将暉さん
――どういう俳優を目指していますか。
野村 若い方から年配の方まで、幅広く愛される俳優になりたいです。憧れているのは山崎賢人さんと菅田将暉さん。お二人とも演技がすごくて、山崎賢人さんの『今際の国のアリス』、菅田将暉さんの『3年A組〜今から皆さんは、人質です〜』が好きです。
特に『3年A組〜』には、本当に心を動かされました。菅田さん自身が毎話、キャラクターに合わせて、どんどん痩せていく姿を目の当たりにして、そのストイックさに衝撃を受けました。自分もそんなふうに徹底した役作りをしてみたいです。
――今後、やりたいキャラクターはありますか。
野村 明るい役からダークな役、サイコパス的な役もやりたい。今はやってみたい欲がすごくて、とにかくいろんなキャラクターに挑戦したいです。
――これはできないと思うことはありますか。
野村 役なら、全然、なんでもします。坊主頭だってしてみたいです。アクションや特撮系も出てみたいですし、ミステリーも興味があります。とにかく今はいろんな仕事をしてみたい。ただ、ラブストーリーに関しては、ちょっとだけ恥ずかしい気持ちがあります。一度、レッスンで女性の方と一緒のシーンがあったのですが、対面するとどうしても緊張してしまって。表情が硬くなったり、手が震えちゃったり。恋愛ものは苦手なのかもしれません。恥ずかしいと、すぐに顔が真っ赤になっちゃうんです。
でも、見るのは大好きです。先日は『余命10年』を映画館に2回、見に行きました。1回目は作品を楽しんで、2回目はお芝居を中心に違う視点で見ようと思っていたのに、結局、感情移入してしまい、どちらも号泣してしまいました。泣きすぎて、嗚咽して、過呼吸になってしまったぐらいです(笑)。
――漫画原作のキュンキュン系ラブストーリーも似合いそうです。
野村 山崎賢人さんは漫画原作のラブストーリーにも出ていらっしゃるので、参考にしたいです。『オオカミ少女と黒王子』『一週間フレンズ。』は見ました。じつは僕、本を読むのが苦手で、活字を見ると頭が痛くなっちゃうから、漫画も得意ではないんです。『ワンピース』や『鬼滅の刃』といった人気漫画ですら、挫折したくらいです。なので、参考になるものはなるべく映像で見たいですし、小さい頃からドラマや映画を見るのが好きでした。
台本は入浴しながら。声が響くことで覚えやすくなる
――活字が苦手のようですが、台本は大丈夫ですか。
野村 台本だと大丈夫なんです。読まなきゃいけないという強い意志が働くのかもしれません。
――台本はどう読んでいるのですか。
野村 父に「台本はどう読んだらいいの?」と質問したら、「自分の台詞は確実にスラスラ言えるぐらいまで暗記しろ」と言われたので、そこは気をつけています。とはいっても、まだそこまでのセリフの量はいただけてないので、今後そうしていきたいです。台本は、お風呂で読むことが多いですね。父もそうしていると聞いたので、真似しようと思って(笑)。声が響くので、入ってきやすいです。
――他にお父さんに聞いたことはありますか。
野村 僕が中学生のときなどは、映画を一緒に見ていると、巻き戻して、「ここはこういうシーンだ」って解説してくれていたんです。でも、そのときの僕は俳優を目指していなかったので、右から左で。今になって、ちゃんと聞いとけばよかったなと悔やまれます。
兄はずっと父の話を聞いていたんですよ。二人は性格も似ていて、論理的だし、哲学とか好きなんですけど、僕は難しいことを言われると頭がパンクしちゃうので、聞き逃してばかりで。僕は父のように、そんなに言葉が流暢に出てくるようなタイプではないし。僕が似ているのは自分で言うのもなんですが、お茶目なところくらいでしょうか。あとは父にない強みといったら、今は初々しさです(笑)。
――3人兄弟だそうですね。喧嘩したりしますか。
野村 それが全くないんです。仲が良くて、3人で出かけることもあります。兄と弟は2人でディズニーランドに行ったり、僕もよく兄と2人で洋服を買いに行ったり。本当に仲がいいです。お兄ちゃんは一人暮らししているんですけど、ドラマも毎週見てくれているみたいで、「見たよ」って連絡があります。
自由な家で規則がないんです。門限はありましたけど、僕たちがやりたいと言ったことに対して、親はいつでも肯定的で、全部OK、いいよと言ってくれるので、3人とも反抗期が全くなくて。反抗しようがないですから。家族に俳優をやりたいと話したときも、びっくりはしていたけれど「いいじゃん。やりなよ」って言ってくれました。
――デビューも果たして、お父さんも鼻高々ですね。
野村 喜んでくれているとは思いますが、どうなんでしょう。結構、ツンデレ気質なところがあるので(笑)。
――お父さんはライバルですか。
野村 ライバルではないです。尊敬する先輩です。簡単なことではないと思いますが、いずれは父の存在を超えられるような俳優になりたいと思っています。
〇『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』公式サイト