高校時代はバスケ部の副キャプテンで恋バナ相談も!

――ついこの前まで高校生だったんですよね。男子校ですか。

野村 一応、共学だったんですけど、クラスは全員、スポーツ好きな男ばかりでした。

――学生時代はどんな男の子だったんですか。

野村 バスケ部のみんなと部活と遊びを両立して楽しんで、本当に充実した学生生活でした。その代わり、クラスでは周りから「ずっと寝ているね」と言われていました(笑)。部活では監督に指名されて、一応、副キャプテンをしていましたが、みんなをまとめたりするような、それらしい役割はあまりしていなかったように思います。

ただ、流されることなく、はっきり自分の意見を言うタイプだと思いますから、友達からもよく恋バナなど相談されることも多かったです。アドバイスできる立場でもなかったですけど、意見はしていました。わりと気分屋なので、静かなときと喋るときの落差が激しいんです。自分からはそんなに積極的に話すほうではなく、初対面の方には気を使ってしまうタイプ。それでいて、部活の友達と2人きりだと「ずっと喋っているね」と驚かれたこともあります。

――今回のドラマの現場で一番驚いたことは?

野村 まる1日撮影しても、実際にドラマで放送されるのはせいぜい5分くらい。本当に短い時間なので、撮影って本当に大変なんだなと実感しています。小さい頃、父の出演していた『ゴーストママ捜査線~僕とママの不思議な100日~』の現場に見学に行った記憶はあるのですが、まだ幼かったこともあり、詳細は覚えていなくて。

――オンエアはオンタイムで見ているんですか。

野村 はい、見ています。毎回、オンエアを見るたびに“ここの表情は違ったかな”“もっとこうすればよかったかな”という反省がどんどん出てきて、改めて父はすごいなと、日々、実感しています。じつは僕から誘って、1話と2話のオンエアは父と一緒に見たんです。役者の先輩でもある父にも見てもらいたくて。

褒めてくれましたが、同時に「ここの表情はもっとこうやった方がいい」「カメラがここにあるんだから、この位置に動けば、もっと顔が映る」と、いろいろアドバイスもしてくれて心強いです。始めたばかりの頃は「俺から教えることなんてないよ」と言っていたんですけど、いざ僕の演技を見ると、いろいろ言いたくなってしまったみたいです(笑)。

▲撮影の大変さを日々実感しつつも撮影現場は楽しい

小さい頃はなりたいものがなかった

――俳優を志したキッカケは?

野村 小さい頃からなりたかったというわけではないんです。高校生のときに将来について考えて、何か新しいことに挑戦してみたいなと思っていたところ、昔からドラマや映画を見ることが大好きだったこともあり、俳優になりたいと考え始めるようになりました。

当時はバスケットボールをやっていたのですが、プロを目指していたわけでもなく、かといって勉強して大学に行ったとしても、特に大学でやりたいことも思いつかなくて……。小さい頃に“俳優になりたい”と言っていたらしいんですけど、記憶になくて。逆に中学生の頃は、周りから「康太も俳優とかどうなの?」と聞かれても、「台詞を覚えたり、いろいろ大変そうだから、やりたくない」と言っていたんです。

――反発して?

野村 いえ、反発するような気持ちはありませんでした。

――実際にやってみて、俳優業はどんなところが大変でしたか。

野村 大変だなという気持ちもあるんですけど、今はやっていて楽しいほうが勝っています。やっぱり演技って答えがない。正解がないから、いろんなことをチャレンジできると思うんです。そこが毎回、楽しいですし、悔しい思いもします。それが次につながるのかなと思います。

――ちなみに、子どもの頃になりたかった職業は?

野村 小さい頃からこれといったものが何もなくて。幼稚園の頃は、お笑い芸人になりたいって言っていたらしいんですけど、それも自分では覚えていないんです。ただ小中学校と、ずっと自分の夢がない、なりたいものがない、と言っていたのは覚えています。

バスケットボールは小学6年生からやっていましたが、プロになりたいという気持ちはなくて。プレイすることや、仲間と一緒に喜びを分かち合える瞬間が楽しくて、単純に好きだから続けていました。もしかしたら、自分で満足してしまっていたのかもしれません。高校に入ってからはバスケットをしていても、自分の成長をあまり感じられず、ずっと悩んでいました。

あの頃は、“話しかけないで”というオーラがすごかったらしくて、周りから何を考えているかわからないと言われることもありましたが、それぐらい落ちていたのだと思います。考えごとをしているとシャットアウトしてしまうから、友達から名前を呼ばれても気づかないこともありました。

――新たな目標が見つかってよかったですね。

野村 はい。今は毎日が充実しています。

――スポーツをしていたからこそ、俳優業に生かされることはありますか。

野村 もともと負けず嫌いだったのですが、バスケットをするようになって、さらにそうなった気がします。中学1年のときに、かけっこで負けたのがものすごく悔しくて、YouTube動画を見て、フォームの研究をしたりして、その後、中2と中3はずっと1位でした。今でも、同じ年代の方のインスタグラムとか見ると、フォロワー数や作品を見て、“負けたくない”と刺激を受けます。

――インスタでは、どんなことを発信していきたいですか。

野村 ありのままの自分を出していきたいですし、もう少し慣れたらちょっとお茶目なものも出していきたいです(笑)。

▲演技は答えがないからこそ、いろいろチャレンジできる