恋に仕事に奮闘する航空業界の人々の人間模様を描いた、この夏のテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『NICE FLIGHT!』。このドラマで、キャビンアテンダント(CA)のチーフパーサー・飯塚理香子を演じている黒川智花。役とはいえ、彼女がもうチーフパーサーとは、時の流れの早さに驚くばかりだが、エリートコースであれば、彼女の年齢でも珍しいことではないとのこと。

役柄同様、最近では若い後輩たちが心配で、気に掛かるようになってきたという黒川。10代の頃から活躍し、順調にキャリアを重ねてきた彼女も、いまや30代。優等生タイプで知られる彼女がストイックな仕事への思い、さらにはストレス発散に欠かせないという意外な趣味を明かす。

▲ドラマ『NICE FLIGHT!』でCAのチーフパーサー役を演じる黒川智花

チーフパーサー役をビッグスマイルで頑張っています!

――『NICE FLIGHT!』は、どんなドラマになりそうですか。

黒川 明るくて、見ると元気が出るようなドラマになりそうです。空港が舞台で、JALさんに全面的にご協力いただいています。ロケ場所をお借りしているばかりでなく、撮影は航空スタッフの細やかなアドバイスをいただきながら、進んでいます。私はチーフパーサー役なので、撮影前に現役のチーフパーサーのCAさんにお会いして、基本の所作や業務内容、CAとしての心構えなどもお伺いしました。

憧れの職業でしたので、CAを演じることを光栄に思っています。ドラマを見て、CAやパイロットなどの姿に航空業界で働くっていいなと夢を見たり、改めてそう思われる方もいるでしょう。さらに管制官や整備士など、さまざまなスタッフにもスポットを当てています。私たちが快適な空の旅を楽しめるのは、こんなにも多くの人が手をかけてくれているおかげなんだと、私も感動しているくらいです。

――黒川さんの役どころは?

黒川 チーフパーサーのCA役です。CAの皆さんの制服は、ワンピースかパンツスタイルなのですが、チーフは白いジャケットを着られるので、それを誇りに思って業務をしています。私くらいの年齢でもエリートコースを進んでいれば、最速で就けるそうなので、私が演じる理香子は優秀なのでしょう。仕事はもちろん恋にも一生懸命で、何事にも努力を惜しまない自立した女性というイメージです。

――CAは憧れの職業のひとつですが、やってみたからこそわかったことなどはありますか。

黒川 CAさんといえば、やはりいつも笑顔で接してくださるイメージがありますが、笑顔はとりわけ意識されているそうです。ミラー効果といって、自分だけじゃなく周りの人も笑顔になってほしい、という思いでいると聞き、私もビッグスマイルで頑張ろうと思っています。

業務をしているとき、例えば、飲み物を注いでるときなどは、どうしても真剣な顔つきになりがちじゃないですか。『そういうときもお客様は見ていますからね』って指摘されました(笑)。常に見られている、背中も見られていると思って、本当に気が抜けないですし、後輩たちのフォローもしなければならないので、チーフとしての気持ちを奮い立たせて、頑張っています」

▲常に背中も見られていると思って気を抜かずに演じています

男性も女性も仕事をしている姿はかっこいい

――キャラクター的には、どんなことを心がけていらっしゃいますか。

黒川 理香子は登場人物のなかでも、明るくて、周りを引っ張っていくタイプなので、とにかく楽しんで演じています。お仕事がバリバリできる女性ですが、恋すると変わるというか、ちょっと意外な一面も見せていくので、オンもオフもどちらも輝いていたいと思っています。ドラマでは、登場人物それぞれの恋模様が描かれていて、各々の仕事場とは違う表情も見どころになってくると思います。

――理香子の場合は、どんなラブストーリーが展開されるんでしょう?

黒川 CAさんというと、やはりパイロットさんと距離が近いし、業務で接する機会も多そうですよね。でも、私が演じる理香子は、整備士さんに恋をするんです。『一周、回って、整備士よ』っていう台詞があるんですけど、彼女のこれまでに一体、何があったんだろうと気になります。

パイロットさんはモテそうだから付き合うとしんどいのかなとか、シフトの関係もあるのかなとか、想像が止まりません(笑)。整備士さんは、たまにすれ違うからドキドキときめくのかもしれません。彼女がどんなふうにアタックしていくのか、私も楽しみにしています。

――職場恋愛には共感しますか。

黒川 男性も女性も仕事をしている姿はかっこいいですよね。空港に伺って撮影しているんですけど、CAさんはやはり皆さん、おきれいですし、パイロットさんはオーラがあって、ついまじまじ見ちゃったりします。努力されている姿や責任を持って仕事に挑む姿の輝きは、たくさんの方に共感してもらえると思うので、どの世代の方にも楽しんでいただける作品になると思います。

――ちなみに黒川さんが一周、回って思うことはありますか。

黒川 ずっと仕事を続けさせていただいて、芸歴は長くなってきているのですが、事務所に来るといろいろと思い出がよみがえります。初めて事務所を訪れた12歳のとき。ダンスやボイスレッスンに明け暮れた10代のとき。当時を振り返ると、年を重ねていくにつれて、自分はより慎重になっているなと実感します。

若い頃は自分のことが精一杯で、周囲が見えなくて、気が付かないこともあったとも思います。今はスタッフさんの隅々まで気になって、感謝したくなってしまうし、若い世代の方たちが増えてきているので、思わず声をかけたくなるほど、応援したい気持ちになります。いかに自分がいろんな人に支えてもらってきたか。これからは返していかないといけない年齢になってきたんだなと思っています。

▲私が演じる理香子のこれまでの人生を想像しだすと止まらなくなります