時代を彩った豪華メンバーが一堂に集結!

2022年8月7日(日)、巣鴨・闘道館で『FMWをつくった男たち』出版記念トークショーが開催された。

出演メンバーは、“ミスターデンジャー”の異名で知られるレジェンド・松永光弘、“邪道姫”として一時代を築いた人気女子プロレスラー・工藤めぐみ、そしてFMW初期にリングアナウンサーを務め、のちに伝説のデスマッチ団体・W★INGの立ち上げに参画した大宝拓治の3名。当時を知らないファンにとっては、もはや歴史上の人物たちがステージに集結することとなった。

▲左から大宝リングアナ、小島和宏、松永光弘、工藤めぐみ。平成初期のインディ-を彩った面々だが、イベントで一同に介するのは今回がはじめて!

最初に出演オファーを受けた松永光弘が「全員、集まったら最高に面白いですけど、おそらく無理でしょう」と思ったというほどレアな顔合わせだったが、全員が出演を快諾。イベントの開催が告知されると、その直後から問い合わせが殺到し、チケットは早々にソールドアウト目前になったという。根強い人気だ。

イベントでは『FMWをつくった男たち』(彩図社)の著者である小島和宏がMC役となり、FMW旗揚げ前夜からW★INGに至るまで「ここだけの話」が連発された。特に工藤めぐみをW★INGに引き抜き、旗揚げ戦のメインイベントに抜擢しようと画策していた大宝拓治が、五反田の喫茶店に工藤めぐみを呼んで入団交渉をした話は鮮烈だった!

実際に引き抜きのターゲットとなった工藤めぐみが目の前にいるところで「じつは、あのとき……」と生々しく語られる舞台裏は、このイベントならでは。その流れで「いやぁ、でも工藤さんはW★INGに来なくて正解でしたよ!」と鋭くツッコむ松永光弘! 令和にまさかの名シーンが飛び出した。

▲感染症対策でお客さまとの撮影会はできなかったものの、リクエストに応えて急きょ、ミスターデンジャー&邪道姫の夢のツーショット撮影タイムが!

この日は配信などもなく、本当に集まったお客さんのためだけに秘話を公開する、という形式。小島も「ちょっと本には書けなかったエピソードを……」とマニアックな話題を振っていく。

当初は「本を読んで、皆さんの記憶力の良さにびっくり。私、なんにも覚えていないです」と語っていた工藤めぐみも、トークを続けていくうちに記憶の扉がどんどん開いてきたようで、さまざまな逸話を披露。まるで昨日のことのように平成初期の思い出を語っているうちに、アッという間に2時間以上が経過し、大盛況のうちにイベントは幕を閉じた。

じつは開催前から「どうしてもこの日は行くことができないので、どうか同じ顔触れでイベントを再演してもらえないだろうか?」という異例のお願いが主催者側に入っていた、という。たしかに週末とあって、この日はたくさんのイベントが重なっていたのだが、行列のできるステーキハウスを営む松永光弘を筆頭に、それぞれ多忙なメンバーだけにスケジュールを合わせるのは難しい、とのこと。

偶然、スケジュールと闘道館のイベントスペースの空き日が合致したこの日は、なんとW★ING旗揚げ記念日だった、という奇跡的なめぐり合わせも。まさに一期一会、である。

▲最初からフルスロットル状態のトークは、先日、亡くなられた青柳政司館長との秘話から、FMWの本には書けないエピソードまで超ボリューミーな内容に