苦労ばかりの芸人引っ越しあるある

「芸人は身内に甘い」

芸人がよくないニュースで取り上げられたときに、別の芸人がかばう。そうすると世間から、こんな意見が出る。はたして、芸人は本当に身内に甘いのだろうか?

我が家が手狭になった。

結婚して10年が経っている。

仕事がないのに子どもを作って、現在子ども2人の4人家族。ずっと同じ部屋に住んでいる。

妻がもう限界である。狭い部屋を子どもが走り回り、畳んだ洗濯物を崩して溜息をこぼす姿を、マジで2000回は見た。私に聞こえるように「あ〜狭い!」と頭を掻きむしるのを、見てないフリをするにも限度がある。

ここは心機一転引越しをしようと、重い腰を上げたのが数カ月前。まずネットで調べ、いろいろな物件を見る。「あ〜綺麗、やけど狭い」「うわー広い、けど古い」を繰り返し、ネット上で不動産屋とやり取りするが、いい物件はすぐになくなる。新たに出たのに、もうない。ないと思ってたら、また出てきた。そして違う物件を薦められる。

ま、これは皆さまもよく経験する話だと思う。私はこの世で「釣り物件」こそ、法律で重い刑にするべきだと思う。

そんな困った状況でも、誰かが手を差し伸べてくれるのが芸人の世界。物件探しが難航すると、「不動産芸人」なるものがいることを芸人仲間から聞く。会ったこともない他事務所の芸人だったが、LINEの連絡先を聞き連絡をすると、まぁ丁寧に教えてくれる。

希望を伝えると、いくつかの物件を丁寧に紹介してくれた。

だが、ここで問題が発生する。私の仕事である。芸人という職業についてるためか、審査がまるでおりないのだ。こういう場合、妻が正社員であるとそちらで契約できたりするが、妻は現在、大物芸能人にDMを送るのが仕事のため、肩書きは無敵の無職だ。

そうなると、さしもの敏腕不動産芸人も頭を抱える。現に決まりかけた物件も、私の職業がバレた瞬間に、建物のオーナーから「ちょっと今回はなしに……」ということもあった。