今大会で自分たちの進退が決まるかも
――現在、会社員と芸人の二刀流ですが、どこにメリット・デメリットを感じていますか?
西野 デメリットから言うと「タレント性が身につけられないな」と感じています。先日もコットンさんと蛙亭さんのライブに参加したときに痛感しましたが、芸人一本でやっている人はタレント性というか、オーラを身に纏っていますよね。普通に働きながらですと、やはりタレント性はついてこないように思いました。
メリットは、芸人ではない人と普段接しているので、「どういうことが面白いのか?」というアンテナが磨かれやすいのではないでしょうか。例えば、M-1で高得点がついたネタも「何が面白いのかわからなかった」という人も一定数いるため、一般の人を常に意識した視点でネタ作りできることは大きいです。
よしおか 私もメリットは西野さんと同じです。デメリットは、事務所に所属せず普段は働いているため、ライブの楽屋で肩身が狭くなりやすいことかなと思います。
――決勝進出、優勝して売れる可能性もありますが、準決勝進出ということは敗者復活にも出場できます。近年ではラランドやマユリカなど、敗者復活で注目されて売れるケースは珍しくありません。当然、シンクロニシティの面白さに気づく人も増え、これまで以上に芸人として活躍する未来も想像できますね。
西野 ラランドさんやマユリカさんは敗者復活に出たから売れたのではなく、最初から面白かったから売れただけで、自分たちもそうなれるかはわかりません。もちろん、面白さを評価してもらって準決勝に進むことができたと思いますが、人目につかなければ本当に面白いかどうかはわかりません。そういう意味では、これから先は多くの人にネタを見てもらえます。話題になれば自分たちの実力に自信を持てますが、裏を返せば「向いていなかったのかな」ということになりますよね。
――今後の進退を決める機会になると?
西野 はい。冗談抜きで今回を機に社会人だけになる可能性は全然あります。これまで、よしおかさんから「芸人を辞めたい」と何度も言われて説得してきたのですが、この先の舞台に出たうえで、よしおかさんが「辞めたい」というのであれば、引き止めることは今のところ考えていないです。
――よしおかさんも同じ考えですか?
よしおか はい。これまで働きながら舞台に立っていたのですが、どこかで踏ん切りがつかずに続けていた部分も内心ありました。準決勝に進んだことで、そこを見極める機会をいただけたのかなと思います。
なんばグランド花月に立って漫才をすることが夢
――決勝進出、M-1優勝、もしくは敗者復活での活躍など、芸人として注目される可能性も十二分に考えられます。その場合、現在の仕事はどうしますか?
西野 お互いに、今の仕事とどのように折り合いをつけていくべきかは、まだ考えが及ばないため、徐々に考えていけたらいいなと。
――ちなみに「こんな仕事がやりたい」などありますか?
西野 なんばグランド花月に立って漫才をすることが夢です。また、ガッツリなバラエティ番組よりは、現在は社会人として仕事をしているので、そこで得た知識をわかりやすく面白く伝えるような番組に出たいですね。あとは、ネタの相談を受けたり、人のネタを書いたりするのが好きなので、作家さんのような仕事にも興味があります。
よしおか 人生一度きりしかないので、いろいろなことに挑戦できたらうれしいです。パッと思いつくものでいうと食レポとか。
西野 よしおかさんはずっと言ってますね。どこかのオーディションで「食レポやりたい」って言ったとき、プロデューサーさんにグミを渡されたのですが、ただただ無言で30秒、グミを噛み続けるだけでした。
――グミは嫌いだったのですか?
よしおか 好きです。
――また、よしおかさんは以前にラジオで「やりたいお笑いと求められているお笑いが違う」という旨の発言をしていましたが、売れたときには自分のやりたいお笑いができるのではないですか?
よしおか そうですね。本当は錦鯉さんのように大声出すようなネタをやりたいのですが、今現在はそっちの方向は求められていません。ただ、徐々に世に認められるようになったら挑戦していきたいです。
――最後に準決勝への意気込みを聞かせてください。
よしおか 今は「どうしようどうしよう」という不安しかありません。ただ、どこかでうまく切り替えて本当に後悔しないよう、「やってやるぞ!」という気持ちで臨みたいです。
西野 「何が幸せか」「何が不幸せか」をわからなくなってしまったので、少しでも経験を重ねて、その判断材料を集めたいです。そのためにも、しっかりと準備をして準決勝に全力で挑み、皆さんに笑ってもらえるネタを披露したいです。
〇シンクロニシティの録音ラジオ[Radiotalk]