『M-1グランプリ2022』(テレビ朝日系)の準決勝進出者が発表された。見取り図やインディアンスなど、実績あるコンビが次々と姿を消す大波乱を巻き起こした今大会。そのなかで、会社員をしながらフリーとして活動する西野諒太郎とよしおかのコンビ・シンクロニシティが初の準決勝進出を決めた。

シンクロニシティは、2019年大会、2020年大会ともに準々決勝に進出するなど、実績を重ねている実力派のコンビである。しかし2021年、よしおかの体調不良により、6月に活動休止を宣言。2021年大会は不参加だったため、2年ぶりにM-1へ帰ってきた。そして、困難を乗り越えて初めて準決勝まで駒を進め、今年にかける意気込みを感じさせる。準決勝を直前に控えた二人に、初の準決勝進出について、活動復帰を決めた経緯など話を聞いた。

▲西野諒太郎とよしおか

今の気持ちは「喜び2、不安8」です

――初の準決勝進出、おめでとうございます。

西野 ありがとうございます。これまで準決勝に進めず悔しい思いを多くしていたので、この結果にはとてもうれしいです。

――進出するだろうという手応えはありましたか?

西野 準々決勝は思ったよりもウケたので、ネタ終わりは「行けたかな?」と思ったのですが、他の組がそれ以上にウケていたので「今年も無理かも…」と落ち込みました。実際、準々決勝終わりに僕たちがやっているラジオを収録したときは、“準々決勝敗退”という前提で話していたので今でも驚いています。

――喜びよりも戸惑いが大きい?

よしおか はい。割合でいうと、喜び2、不安8です。準決勝からはこれまで経験したことがない世界なので、今後どうなるのか不安でなりません。準決勝進出者が発表されて、SNSでは驚きの声が多く寄せられましたが、私もお笑いファンの人と同じで、今回の結果に驚いた一人です。

――準決勝進出が決まったときよりも、準々決勝進出が決まったときのほうがうれしかったですか?

西野 そうですね。そもそも「前年よりも下回る結果だったら解散する」という、全くいらないルールをよしおかさんが作ったため、3回戦を突破したときは、うれしさもあり安心感もありました。

よしおか そのルールはなくしてもいいかも。

西野 そうなの?

▲「全くいらないルール」はどうなるのだろうか…

――3回戦はすごいプレッシャーでの戦いだったのですね。

西野 僕たちは頻繁にライブに出ているわけでも、YouTubeで活動しているわけでもありません。加えて、昨年のM-1に参加せず、一時活動を休止していたこともあり、僕たちが活動を再開したことを知らない人も多いんですよ。3回戦まで進出すれば、M-1の公式YouTubeでネタが見られるようになり、準々決勝敗退でもワイルドカード用のネタも配信されます。自分たちが活動している証明になるため、3回戦突破は大きかったです。

――2年ぶりのM-1出場になりましたが、例年よりも意気込みなどはあったのですか?

よしおか 2年ぶりの出場であり、M-1の雰囲気は独特ですので、緊張感はすごかったです。学生時代に、当時は別のコンビでM-1に出場したことがあるのですが、そこで準々決勝まで進むことができ、お笑いで評価されることに喜びを感じました。その経験があるから現在も芸人を続けているので、私の中では特に思い入れのある大会です。なので、1回戦から準々決勝まで慣れることなく、ずっと緊張しています。

錦鯉とオズワルドのネタに衝撃を受けた

――2021年6月に活動を休止したときの経緯など教えてください。

よしおか 普段やっている仕事と、芸人としての活動を両立させることが徐々にしんどくなっていきました。それでも騙し騙しやっていたのですが、精神的に厳しくなり、西野さんに相談して活動を休止することになりました。

――活動休止を決めたときの西野さんの心境は?

西野 「今年はM-1に出られないのか……」という残念な気持ちはありました。ただ、僕がネタ作りをしているのですが、1年で作れるネタは2つほどです。準備期間ができたと思い、ネタ作りに注力できたので、むしろ前向きに捉えていました。また、結果がついてこないことに、よしおかさんが悩んでいたことは知っていたので、休息期間としても良かったと思います。

――活動休止はどのように過ごしていたのですか?

よしおか お笑いのことは基本的に考えずに過ごしていました。昨年のM-1もリアルタイムでは視聴せず、同時刻に放送されていた『鬼滅の刃』を見ていました。決勝は後日見たのですが、オズワルドさんと錦鯉さんのネタに衝撃を受け、「この2組より面白い漫才は私たちにできない、辞めたいです」と西野さんに伝えました。

――これにはどう返したのですか?

西野 「あの2組よりも面白くなくても漫才は続けていいでしょ」と返しました。

――よしおかさんの復帰表明を聞いたときはどうでしたか?

西野 僕は1回戦直前の8月くらいでの復帰を想定していたので、「ネタを調整する時間が増えた!」「今年は行けるんじゃないか!?」とうれしかったです。

――活動再開して以降は休止以前と変化はありましたか?

西野 よしおかさんが電車での移動がしんどいため、ライブ会場に行くときは僕の車で移動するようになりました。よしおかさんはネタ合わせが嫌いなので、以前は出番前に数回合わせる程度だったのですが、今では車の中でネタ合わせができるようになったのでよかったです。ただ、助手席に座ってくれれば隣同士になるので、漫才っぽく練習できるのですが、いつも後部座席に座るんですよ。

よしおか あまり広くないので乗り心地の悪さを感じています。

西野 軽自動車だからね(笑)。