11月30日、東京・NEW PIER HALLで「M-1グランプリ2022」の準決勝が行われ、ダイヤモンド、男性ブランコ、カベポスター、ロングコートダディ、さや香、真空ジェシカ、キュウ、ウエストランド、ヨネダ2000の9組が決勝に進出した。

この日の準決勝を、ニュースクランチ編集部員と一緒に見たのが、ミュージシャンのimai。自他ともに認める“お笑いフリーク”であるimaiが、ダイヤモンド、男性ブランコ、カベポスター、キュウ、ヨネダ2000の5組が初の決勝進出となった、レベルの高い準決勝の模様をレポート!

会場だと拍手笑いの数や声量が明確にわかる

会場となる東京・NEW PIER HALLはもちろん満員。時間となり、MCのはりけ~んずが登場し、今年のM-1の総エントリー数が昨年の6017組を大幅に更新、史上最多となる7261組を記録したと伝えると、客席からは感嘆と若干の笑い声が。たしかに、漫才がこんなにも市民権を得て、年末の風物詩になるなんて、思いもしなかっただろう。

この日は、ミュージシャンのimaiとともに観戦。幼少期からお笑いが大好きで、バラエティやDVDはもちろん、ライブにも足繁く通っていたというimai。先日も、スカートの澤部渡とライブ会場の楽屋でお笑い談義に花が咲き、最初は微笑ましく見守っていた会場スタッフに、最後「出ていってください」と追い出されたという逸話を持っている。

そんなimaiだが、M-1の予選を現地で観戦するのは初めてとのことで「初めてフェスに出たときよりも緊張しているかも」と会場の雰囲気を感じている様子。

「この日に向けて、準々決勝の動画、3回戦の動画もしっかり見てきました」と語るimai。

今年のM-1は、準決勝進出者発表の時点で、TwitterのトレンドがM-1関連でもちきりになるほどの波乱含みであった。去年、決勝に進出した、インディアンス、モグライダー、ゆにばーす、もも、ランジャタイが敗退。また、今年ラストイヤーだった見取り図、金属バットが準決勝に残れないなど(金属バットはワイルドカード枠で、この日の準決勝に進出)忖度が一切存在しない審査を、これでもかと見せつけていた。

今年は、1回戦から売り切れの会場が相次いだことに触れ、「初期の頃はお客さん5人のときとかがあった、それが今やこんなに……」と感慨深い様子のはりけ~んず。彼らもまた、初年度からM-1の予選MCを務め、芸人の悲喜こもごもを見つめてきた生き証人なのだ。

今年は初の試みとして、冒頭に“ベストアマチュア賞”を発表。受賞した結成したばかりの兄妹コンビ・深海魚が登場。兄の竹座が“売れてラジオをやりたい”という動機で妹のネネを誘ったという異色コンビだが、準々決勝まで進んだのはすごいことだ。憧れの芸人は? と問われたネネが「あぁ~しらきさん」と答えたところで、この日、初めての拍手笑いが起こった。

▲ベストアマチュア賞の深海魚

ライブ配信も行われた今回、家にいながらにして準決勝をリアルタイムで楽しめるシステムであったが、やはり会場で見るのと、家で見るのは体感として違う。

「拍手笑いの数とか、声量であるとかが、映像で見るより明確にわかる」「僕の位置からは袖にハケていく芸人の所作が見えて、それもグッと来ました」と初の現地観戦の感想を話してくれた。