山際大志郎

「(韓鶴子と)わたしどこかで会ったなぁ、というのは覚えてたんですけど、それがどこだったかってわからない以上ですね、それがどこだったかってわからないという状況で、その話をするのは、不正確なので、お話をしなかった、ってことですよね」

2022年10月24日、統一教会との関係をめぐり、野党の追及を受けてきた山際経済再生担当大臣がやっと辞任した。統一教会との接点を示す証拠が次々と出てきて、そのたびにデタラメな釈明と記憶喪失のふり。

統一教会関係のイベントには数多く出席。

2016年7月28日から31日にかけて、天宙平和連合主催の国際指導者会議がネパールのカトマンズで行われたが、山際は自民党衆議院議員の山本朋広とともに参加している。

これは岸田内閣改造後、大臣留任が決まってから発覚した。つまり、バレるまで黙っていたわけである。

2022年8月10日の会見で、どのようなイベントにいつ何回ほど出席したのかと問われると、「事務所で調べましたところ、2018年10月のアフリカビジョンセミナーへの出席が確認されました」と答え、このときもネパールについて触れていない。

しかし、顔が映りこんでいるネパールでの画像や動画が見つかった。

結局、9月25日の記者会見で、統一教会との関係について「率直に反省し、今後は一切関係を持たないよう行動する」と発言。「2016年、19年に関連団体のイベントに参加したか」と記者から問われると「報道を見る限り、出席したと考えるのが自然だと思う」と述べた。

完全に他人事。

その後、2018年7月1日の統一教会による「日本宣教60周年記念2018神日本家庭連合希望前進決意2万名大会祝勝会」の映像にも顔が映りこんでいることが判明。

さらには教団トップの韓鶴子と面会していたことが発覚。2022年10月3日の会見で、会ったことを覚えていなかったのかと聞かれ、冒頭の発言となった。

当然、国会は紛糾。2022年10月19日の参議院予算委員会で山際は野党からの集中砲火を浴びたが、山際は「記憶の限りで、お会いしておりません」「記憶の限り、見ておりません」と繰り返した。

ネパールでスピーチしている写真が出てきたにも関わらず、「スピーチした記憶もないんですか?」と問われると「ございません」と答弁。

立憲民主党の辻元清美が「文鮮明氏にも会ってる、文鮮明氏と同席してる、というようなことが発覚したら、さすがに大臣は辞めますよね」と質問すると、山際は次のように答えた。

以下、そのやり取り。

山際「わたくし自身の記憶の限りでは、その方とお会いしたことはありませんけども、それが何か出てくる可能性を全部否定するわけでは当然ありません」

辻元「えー?」

山際「覚えてないわけですから」

恥知らずは最強である。

▲どこまでもしらを切る 出典:maroke / PIXTA