「宗教団体に恨みがあり、関係が深いと思ったから狙撃した」

安倍元総理銃撃事件の犯人がこう語ったのは、記憶に新しく、さらに事件以降、今なお続く次から次へと政治家と宗教団体のズブズブな関係が明るみになりました。

2021年10月の政権発足以来、ここ数ヶ月は内閣支持率過去最低を更新し続ける岸田内閣。防衛費増額や、更迭や辞任が相次ぐ内閣への不信感が強まっていると見られています。それもこれも、すべてあの事件がトリガーとなって、本性が見え始めているのではないでしょうか。

安倍元総理大臣の銃撃事件後、作家の適菜収氏が見抜いた“いかがわしい政治家”たちの本性を暴いていきましょう。

※本記事は、適菜収:著『日本を腐らせたいかがわしい人々』(ワニブックス:刊)より一部抜粋編集したものです。

岸田文雄

「これからこの団体と関係をしっかり絶つことが何より大事だ」

対応の遅さを見せつけ、緊張感の欠片もない答弁を繰り返したのが岸田文雄である。

「政治家の立場からそれぞれ丁寧に説明していくことが大事だ」

「重く受け止めている」

「チェック体制を強化する」

「被害者の救済にしっかり取り組む」

毒にも薬にもならない薄っぺらい言葉を並べる一方、具体的な話も期限についても出てこない。

2022年10月13日、BSフジの「プライムニュース」に出演した岸田は「社会的に問題が指摘されている団体と関係があったことについて謙虚に反省する」と述べたうえで、「これからこの団体と関係をしっかり絶つことが何より大事だ」と語った。

すでに指摘したように「この先、反社やカルトとは付き合わない」と言って許されるわけがない。

これまで反社やカルトと付き合ってきたことが問題なのだから。

やらなければならないのは、事実の究明、および反日カルトとつながっていた安倍晋三とその周辺の正体を明らかにすることである。

殺人犯が「これからはなるべく殺人は差し控えるようにする」と言えば許されるのか。

▲「これからは」では許されない 出典:天空のジュピター / PIXTA

これまでの岸田の発言を見る限り、問題の本質を追求するのは避け、騒動が沈静化するのを待っているだけに見える。党所属国会議員379人中180人に統一教会との接点が確認されたとする調査結果が公表された。こうした議員を排除したら、自民党は成り立たなくなるので、これまでのことはシラを切って「これからは」と繰り返すのだろう。

10月6日の参院本会議で、宗教法人法に基づく解散命令請求について問われると、岸田は「信教の自由を保障する観点から判例も踏まえて慎重に判断する必要がある」「宗教団体に法令からの逸脱行為があれば厳正に対処する」と答弁。

要するになにもやらない。

安倍派を敵に回す気概もない。

すでに指摘されているとおり、統一教会に解散命令が出ても、信教の自由は侵害されない。岸田はそれをわかって言っている可能性が高い。非常に悪質である。