年の瀬となる今だから振り返りたい2022年の思い出。ニュースクランチに登場していただいた方たちに2022年のベストブック、もしくはベストムービーを紹介してもらう「2022 My Best」。

老舗書店である有隣堂が運営するYouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』で、愛情たっぷりに文房具の魅力を伝える文房具バイヤーの岡﨑弘子さんに、今年のベストブックを3冊選んでいただきました。

『いちからはじめる』松浦弥太郎

本を読みたくなったときに、『いちからはじめる』というタイトルに惹かれて買った1冊。違うタイトルだったら買っていなかったと思います。仕事が行き詰まったり、何か新しいことを始めたいのに始められていないという悶々とした状況のときに、手に取りました。

『「いち」、は目に見える部分ではなく、目に見えない部分にあります』という一節が心に残っています。目に見えないことをちゃんとやる、思い立ったときに自分でよく考えて、自分で始めるのが大事ということを学んだ本。自分でしっかり考えて始めるのと、人に言われたり締め切りに追われてやるのでは、同じ結果でもそのあとが全然違う。単純なことなのですが、今の自分にピッタリきて、心の中がすっきりしました。

『暮らしの図鑑文房具』

『暮らしの図鑑』シリーズは他にもたくさん出ていて、どれも大好き。そのシリーズから「文房具」をテーマにした本が出ることになり、そのなかの「16人の手帳・ノート・文房具の楽しみ方」のパートに「岡﨑弘子」として3ページも取り上げていただきました。掲載されている他の方々も素敵な方ばかりで、そんななかに載せてもらえたのも光栄です。

自分がどうして文房具を好きになったのか、子どもの頃のことを思い起こしてお話したのですが、それをこの本で形に残していただけたのがうれしいです。

インクや筆記具、紙の加工や製本についてもまとめてあり、文房具との出会いの1冊、文房具を楽しむための基礎知識の1冊としてもおすすめです。

『紅茶の絵本』大西進(作) / 平澤まりこ(絵)

▲ミルブックス

近頃、紅茶に目覚めました。自分でも「ゆっくり紅茶を飲む」ということをしたくなり、また、(有隣堂が運営するSTORY STORY YOKOHAMAにある)岡﨑百貨店でも紅茶の販売を始めたいと思って、おいしい紅茶のいれ方ついて学ぼうと、この本の著者である大西進さんのワークショップにも行きました。

紅茶の本はたくさん出ていますが、そのなかでもこの本は、平澤まりこさんのかわいい絵と大西さんの文章でシンプルに書かれていて、すっと頭に入ってくる、取り掛かりやすい本です。岡﨑百貨店で紅茶と一緒に販売したいと思っています。


プロフィール
 
岡﨑 弘子(おかざき・ひろこ)
有隣堂 事業開発部商材開発・店舗プロモーション課所属。有隣堂で4年間アルバイト経験後、1990年入社。文具担当として店舗勤務24年を経て、本部で文具・雑貨仕入れ担当を8年。アルバイト勤務時代も通して、ずっと文具・雑貨に触れる仕事に携わってきた。YouYube:有隣堂しか知らない世界