「今は誰もが本当に苦しい思いをしてると思う」(伊東)
「リング上でできることを全力でやっていくしかない」(関本)

──伊東選手が引っ張っているデスマッチと、関本選手が引っ張っているストロングBJが、それぞれ存在していることは、大日本ならではの強みですよね。

伊東 そこが大日本という団体ならではの、他にはない唯一無二の個性ですからね。それに大介たちストロングBJの選手たちは、他団体に参戦する機会を通じて、新しいお客さんを連れてきてくれる。そんなお客さんをリピーターにしていくのが、我々デスマッチファイターの役目です。

関本 何年か前にストロングBJの選手が、私も含めて何人も怪我で欠場したことがあったんですが、でも、その時にはデスマッチの選手たちが、頑張ってカバーしてくれました。その逆の時もあります。これは大日本ならではの強みですね。

──そんな大日本も旗揚げから25年。3月16日に横浜文化体育館で、旗揚げ記念大会を開催しますが、今は団体史上でも屈指のピンチでもあります。

伊東 昨年から今年にかけて、移動用のバスとトラック2台が、相次いで故障のため使用不能になってしまいました。とりわけ地方巡業のためには、バスもトラックも不可欠なので、現在はレンタカーを借りて凌いでいますが、そのための経費がかなりの負担になっています。

関本 それに加えて今回の新型コロナウィルスの流行で、お客さんの足は遠のいていますからね。

伊東 自分たちが新人時代にも、かなり厳しい時期があったんですが、当時よりも選手やスタッフが増えた分、同じくらいのピンチかもしれないです。でも、大変なのは自分たちだけじゃないですから。中小の飲食店を経営してる方たちも、今は本当に苦しい思いをしてると思うんです

関本 月並みな言葉になってしまいますが、そんな状況でも会場に来てくれたお客さんには、絶対に満足して頂ける試合を全選手が続ける。そして、お客さんの感染リスクを可能な限り下げることも含めて、できることは全力でやっていくしかないですね

伊東 こういう時だからこそ、自分たちみたいに人前に出てる人間は、倒れてはいけないし、真価が問われていると思います。

▲団体の危機だからこそふたりはできることを全力で

後編に続く>>

 

[著者プロフィール]
伊東竜二(いとうりゅうじ)
1976年4月8日生まれ。岩手県岩手郡滝沢村出身。高校時代はボクシング部に所属。茨城大学工学部に進学するも、幼少期からの憧れであったプロレスラーを目指して大日本プロレスに入団。2009年の葛西純とのデスマッチでは高い評価を得て、この年のプロレス大賞の年間最高試合を受賞。日本プロレス界の“デスマッチ・キング”へと飛躍を遂げた。

関本大介(せきもとだいすけ)
1981年2月9日生まれ。大阪府大阪市鶴見区出身。中学・高校時代は名門・明徳義塾の野球部に所属。高校卒業後、大日本プロレスに入団。1999年8月、伊東竜二戦でプロレスデビュー。BJW認定世界ストロングヘビー級王座など、数々のタイトルを獲得し、デスマッチ団体である大日本プロレスにおいて「ストロングBJ」の地位を高め続けている。

<大会情報>
大日本プロレス25周年メモリアル
大日本旗揚げ記念日「STARDUST SUPERSTARS」
2020年3月16日(月) 17:45開場/18:30開始
神奈川・横浜文化体育館大会

〈物販スペシャル情報〉
16日の横浜文化体育館で、伊東竜二『デスマッチ・ドラゴンは死なない』か、関本大介『劣等感』を購入された方に、大日本プロレス25周年記念・伊東竜二×関本大介ポストカード(非売品)を差し上げます。

 

<募金のお願い>
ブックオフオンライン
「トラック故障で大ピンチ!トラック募金を支援したい!!」