いま、新しい“ショートショート”として、ツイッターの文字制限である140字以内で完結する「140字小説」というジャンルが流行しているのはご存じだろうか?
そのなかでも、20万以上もの「いいね!」を続々と叩き出す話題のアカウントの生みの親が、作家・方丈海氏。140字という文字数の中で展開される“意外な展開&オチ”が最大の魅力。ここでは待望の初書籍『#140字小説 「1話30秒」の意味が分かるとゾクッとする話』より、正統派からヒトコワ系まで、選りすぐりのショート・ホラー6選をご紹介します。
※本記事は、方丈海:著『#140字小説 「1話30秒」の意味が分かるとゾクッとする話』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
撮られると死ぬ。このカメラにはそんな迷信があるらしい
撮られると死ぬ。
このカメラには、そんな迷信があるらしい。しかしその真相は、撮った相手をターゲットにする殺人鬼がいたというわけだ。そいつを検挙した俺は、撮られて生き残った記念すべき最初の一人だ。これで、思い残すことは無い。俺はビルの屋上から晴々とした気持ちで飛び降りた。
『殺人カメラ』
私の恋は、恐怖と共に終わりを告げた
ネイルを初めて塗ったけど、最初に気付いてくれたのは彼だった。勿論、彼氏じゃない。友達のささいな変化にも、すぐに気付いてくれる。そんな彼だから、みんなから好かれているのは当然だった。だから、これは私の片想い。でもある日、私の恋は、恐怖と共に終わりを告げた。
「家の鍵、変えたんだね」
『初恋は恐怖の味』
人は、生まれてすぐは動物でしかない
「人は、生まれてすぐは動物でしかない」
「そうだな」
「人として生きていく中で、人に成っていくんだ」
「そうだな」
「同じように、打たれたばかりの刀では、まだ刀ではない」
「刀として使われて…初めて刀だと?」
「その通りだ!」
連続バラバラ殺人
刀匠 田町重義(42)容疑者の事情聴取より
『親馬鹿』