青春を謳歌するため県立高校へ

――コスプレを始めたときは会社に務められていたのでしょうか?

花宮 専門学校を卒業して、新卒で病院で働き始めて1年経ったぐらいでした。

――コスプレ・グラビア活動と、仕事を両立をされていたんですね。

花宮 そうです。でも、医療事務は給料が低いんです。時給換算したら最低賃金低よりも低かったので、やっぱり苦しかったです。コスプレはウィッグやカラコン、衣装、小物などを用意しないといけなくて、お金がかかるので“無理だな”と思いました。

ちょうどその頃、撮影会に声をかけてもらったので、ちょっとお小遣いをいただいてたんです。それで、こっちをメインにしたほうがいろいろ経験もできるし、お金ももらえるんじゃないかと思ったので、2年経たないぐらいで医療事務を辞めて、しばらく撮影会だけで活動していた時期もありました。

当時はまだ企業案件をもらえなかったので、実家でニートをしながら撮影会に出ていましたね(笑)。その後は、日比谷のパスタ屋さんで働きながらコスプレをして、一般事務に再就職して、また仕事を変えて今の会社に至るという感じです。今の会社は本当にありがたいですね。

――副業もできるんですか?

花宮 全然オッケーです。副業応援というわけではないですけど、Wワークしている方が多いので、すごく理解があるんです。だから「前日までに言ってくれれば休んでもいい」「なんなら当日でも」という感じなので、今は時短プラス週4で働いてます。すごくいい会社です!

――社内の人間関係だけで完結する仕事なのでしょうか?

花宮 お客様とはメールでやり取りをするだけで直接会わないので、服装や髪色、ネイルは自由です。じゃないと、この爪では会社に行けないです(笑)。もっと言うと、社用のパソコンにステッカーをベタベタ貼っていますし、いつかフィギュアを持っていこうと思っています!

――許されることを願っております(笑)。先ほど、一時期はコスプレ、撮影会だけで生活されていた時期があったと言われてましたが、その活動だけに絞る考えはないのでしょうか?

花宮 2つ軸があれば、片方が「イヤだ」となっても、もう一方で生きていけるので、絶対に社会人はやめないようにしています。コスプレの仕事はコンスタントに入るわけじゃないので、“朝起きて会社に行って帰宅する”という規則正しい生活をベースに考えています。

――たしかに不安定ですよね。ところで、どういった専門学校に通われていたんですか?

花宮 医療系です。本当に行く意味なかったです(笑)。業務的に資格を活かせたわけでもないので、他の資格を取ってもよかったかなって。

――いつから医療系の道に進もうと思われていたのでしょう?

花宮 物心ついたときには「将来は病院で働きたい」と思っていました。病院で働くのが憧れだったので、医療事務を選んだという感じです。

▲中学生の頃から人前に立つの大好きでした

――医療系には「真面目」という印象がありますが、どんな中学生でしたか?

花宮 中学生の頃は「人前に立つの大好き!」という感じだったので、学級委員を3年間やっていました。部活は吹奏楽部だったんですけど、フルートのパートリーダーをやっていて「みんなついてこい!」ってやるのが好きでしたね。

成績も割とよかったので、推薦で私立に行こうと思ったんですけど、頑張りすぎちゃったせいで“高校では青春したいな”と思い……。一応、私立の見学には行ったんですけど、モサッとした男の子しかいなかったのを見て、推薦が決まっていたのに「ごめんなさい。辞めます」と言って、県立の高校に行きました。

――高校生活はどうでしたか?

花宮 思っていた高校生活とは全然違くて……。超真面目な校風の学校に行ってしまったので「少女漫画みたいな展開はないんだな」「青春ってなんだっけ」という感じでした(笑)。だから、オタ活をして青春を取り戻しています!

――じゃあ、成績はよかったんですね。

花宮 それが中学で頑張りすぎちゃったせいで、高校は「もういいや」となったので、本当にやばかったです。学校に親を呼ばれて「次、赤点を取ったら進級できない」と言われたときはめっちゃ焦りました。親は超真面目なので「本当に恥ずかしいから二度とするなよ」ってめっちゃ怒られましたね……。

――それは苦い思い出ですね……。

花宮 高校時代はギャルだったんですよ。髪は染めちゃいけないのに「染めちゃおう!」みたいな。校則で決められた白と黒、グレーのセーターじゃ物足りずに、青を着たり、ボタンを付け替えたり、ギャルの真似事をしていたので、周りからはやべえヤツだと思われていたことでしょう!(笑)

――ある意味、青春を謳歌されていたんですね。