史上最強チームを完成形にした大谷翔平の偉大さ

今大会MVPに輝いたのは文句なしで大谷翔平。

今大会は「大谷で始まり大谷で終わった」と言ってもいいだろう。合流した強化試合から常にチームの先頭に立っていた。

ベテラン野手の不在が懸念材料だったなかで、28歳という若さでチームをまとめ上げた。

これは実績や実力はもちろんのこと、カリスマ性や誰からも可愛がられる雰囲気、データには表れない部分の貢献度含め「大谷翔平」という選手だからできた結果だ。

緊張感あふれる1次ラウンドの初戦では、二刀流としてチームを牽引し、チームを勢いづけた。その結果、1次ラウンドでは文句なしのMVPを獲得。期待値通りの活躍を見せた。

これまで、第1回・第2回大会ではイチローがチームを牽引していたが、基本的に大会中はスロースターターだった。

しかし、大谷はこの大会の序盤からピークを合わせ、二刀流として文句なしの活躍を見せた。大会前の実戦は2試合だったが、合流前は心配された打線。大谷自身は、すぐに結果出せば雰囲気が変わると思っていたかのように、すぐさま結果を残した。

この大谷の活躍により、4番に座っていた村上はプレッシャーに感じる部分もあったと思うが、最終的にはこのプレッシャーを乗り越え、大会終盤に生き返って決勝でホームランを放つなど印象的な活躍を見せる。

大谷の発言や、一つひとつのプレーによりチームの士気は変わっていっただろう。この大谷がいることにより、世界各国に与えるプレッシャーは段違いに変わった。

最後は「投手・大谷翔平」として有終の美を飾ったが、WBCという野球の世界一を決める大会で、2016年のプロ野球を1人で支配したように、世界最高のプロ野球選手である大谷が、大会を支配し、主人公だったのは間違いない。

このWBCの優勝により、野球というスポーツがさらに人気向上し、国技として世界に誇る日本をずっと見続けていきたい。

プロフィール
ゴジキ(@godziki_55)
自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」「データで読む高校野球 2022」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」などで、巨人軍や国際大会、高校野球の内容を中心にコラムを執筆している。今回、新たに「WANI BOOKS NewsCrunch」でコラムを執筆。Twitter：@godziki_55