文化放送をキーステーションに放送中のラジオ番組『ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB』。3月25日の放送に『1万人の夢を分析した研究者が教える 今すぐ眠りたくなる夢の話』(小社刊)を出版した臨床心理士・松田英子がゲスト出演した。
最近は宇宙の闇に放り出される夢を見るんです
この番組は「ニュースを読み解くのが難しい」「いまさら他人には聞けない」「ニュースに関心がない」というリスナーを代表し、世の中の疑問や本当の話にロンブー淳が楽しく迫っていくもの。
「今週のスゴい人」に登場した松田は、夢を研究し始めたキッカケを聞かれると「大学生のときに、目覚まし時計が鳴る直前に目が覚める現象について、寝るときに私たちが“どのぐらい経ったら起きるのか”を計算し、うまくそこで目が覚めるようになっていることを知り、“寝ているときも思考が働いている”ことに大きな関心を持ち、そこから夢の研究を始めた」と語った。
ロンブー淳が「夢は明らかになっていないことが多い分野だが、過去にも多くの研究がなされてきたのか?」と聞くと、「現象そのものは古代ギリシャから残っているが、一般的に知られるようになったのはここ140年ぐらいで、深層心理的なものから始まり、睡眠中の特殊な現象だということがわかってきた」と答えた。
どんな夢か――に合わせて、どういう睡眠の時間帯に、どこの部分が活性化しているのかは研究でわかるようになってきているが、誰かが見ている夢を第三者がリアルタイムで映像化して見ることはできない。テクノロジーが発達している現代でさえ、研究することが難しい。
私たちは一晩に3〜5つほどの夢を見ており、全部覚えている人もいるが、起きる直前の夢の一部だけを覚えている人がほとんど。夢は見たが内容はまったく覚えていないという人もいて、個人差がありおもしろいと続けた。
また、夢の内容を分析していくと、その人が気になっていることや関心、抱えているストレスや不安のほか、その人の性格や年代までわかる可能性もあるとのこと。
ロンブー淳が「最近、漆黒の宇宙の闇に放り出され、ふわふわと浮いていたら光が見えて、そこに向かうと楽園がある……みたいな夢が多い。たしかにそう言われると、宇宙にめちゃめちゃ関心がある」と伝えると、松田は「もし、その関心ごとが現実で実現したら、淳さんの見る夢も変わっていくはず」と応えた。
学生の頃に吉川晃司さんが夢に出てきて・・・
年代別に見る夢の特徴についての話題に移ると、子どもが自分のことを夢に見ることが多いのに対し、中高年になると、子どもや親のことなど、自分よりも自分の周りの人のことを夢に見るようになるなど、現実が夢に影響していると説明する。
ロンブー淳は「リンクしてるんですね、おもしろい! でも、ときどき意識したことがない人が夢に登場してきて、そこから意識しだすというか。僕、吉川晃司さんが夢に出てきて、歌いながら近づいてきて血を吸われたんですけど(笑)。それから吉川さんをよく見るようになって……」と学生の頃に見た夢について話す。
それを聞いた松田は「吉川晃司さんの曲や映像だったり、全然関係ない“よしかわさん”“きっかわさん”という名前が似てる人の情報が夢に出てくることもあるんです。そこに関心があるというより、見たあとに“なんで出てきたんだろう”と考えることで、現実の行動が変わっていく」と解説すると、「それまで吉川さんの曲を聞いたことなかったんですけど、布袋寅泰さんと組んだCOMPLEXが好きになったんです」と納得した様子。
たまたま夢で見たものに着目するようになることで、現実の行動が変わっていく。それによってまた新しい流れが生まれる。
その話を聞いたロンブー淳は「そうか! 睡眠の時間は寝ているんだけど、ちゃんと人生として生きてるってことですね」と興味津々。
「現実が夢に、夢の解釈がまた現実に影響し、それがまた夢に……と地続きになっている」と松田が続けると、「めちゃめちゃ重要じゃないですか! 夢で自分の目標とか、やってみたいこととかを描くと、それが引きずられるかのように起きた(目覚めた)ときもその気持ちになるけど、“不安だな”という夢ばかり見ていると、起きた(目覚めた)ときもそれに引っ張られちゃうってことね」と合点がいったようだ。
松田は「不安で夢を見たとしても、それで別にイヤなことが起こるわけではない。そこでの捉え方がすごく大事。自分が何について不安を抱いているのか、それにどうやったら対処できるのかを考えるキッカケになる」とまとめた。
今回、夢について興味深い話を聞かせてくれた松田。新刊の『1万人の夢を分析した研究者が教える 今すぐ眠りたくなる夢の話』では、誰もが気になる“金縛り”の謎にも触れているとのこと。気になる方は読んでみてはいかがだろうか。