芸人カップルの変態プレイ

俺の例を見てわかるように、売れてない芸人の奥さんや彼女はみんな性格がいいが、売れない芸人同士で付き合うケースもある。これには芸人のなかでもいろんな意見がある。

「女芸人と付き合うとかないわ〜」

という人もいれば、

「女芸人だって1人の女性なんだからいいじゃん」

という人もいる。

考えてみれば、普通の職場恋愛と同じなわけで、好きになったら付き合えばいいと思うのだが、やはり芸人に対する偏見が心のどこかにあるのだろう。自分の彼女が人前に出てネタをやっているのを想像すると、俺もなんだか二の足を踏んでしまう。

芸人の世界は先輩後輩の関係がしっかりとした「男社会」だからこそ、恋人は控えめで奥ゆかしい女性がいいと思うのかもしれない。どんなときも前に出ようとする目立ちたがり屋な彼女で、さらに自分よりも笑いをとってたとしたらイヤだろうなあと自分でも思う。

ある女芸人に聞いた話だが、芸人同士が周りに2人の関係を隠しながら付き合っているときは、めちゃくちゃ盛り上がるようだ。ライブのエンディングの暗転中にキスをしたなんてことがあったらしい。家に帰ってからいくらでもすればいいのに、周囲に芸人がいて、さらに客席にはお客さんもいる状況で、「周りに見つかるかもしれない」というスリルがとても興奮するのだとか。変態か。

芸人同士ゆえ、ライブでどちらかがスベッたあとはデートの空気も重たくなるらしい。そりゃそうだ。頑張って作った新ネタがスベッたら、どうしたって会話は弾まない。

その一方で、仕事への理解は一般の人よりはあるという。突然オーディションが入ったとか、先輩との付き合いで今夜デートできないとかも、普通だったら「は?」となることを、よく理解してくれてるという。

だが、一度、女芸人と付き合ってしまうと、別れたあとが気まずいらしい。もともと付き合っていた2人が同じライブに出てたりすると、周りもそれをイジっていいのかドギマギする。そして女芸人によってはそれをネタにする者もいる。

「こんなふうに口説かれた」
「夜が下手だった」

恋人と付き合ってる当時のエピソードなんて、誰だってなにかしら恥ずかしい思い出があるだろうから、暴露されたらとても気まずい。周りも気まずい。

だからというわけではないが、俺はこれまで芸人と付き合ったことはない。芸人同士で一緒にいるのは楽しい。そのなかでも、男女関係なく、恋愛もこえて、みんなでワイワイやってるのが楽しかった。そうやってここまで生きてきたし、これからも生きていくんだと思う。

(構成:キンマサタカ)

『TAIGA晩成 ~史上初! 売れてない芸人自伝~』は、次回4/14(金)更新予定です。お楽しみに!!


プロフィール
TAIGA(たいが)
1975年生まれ。神奈川県出身。2005年『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』(フジテレビ)、2009年『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)、2009年の『あらびき団』(TBS)、2014年の『R-1』決勝進出でプチブレイク。下積み時代が続く中、2020年の『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(中京テレビ)、2021年の『アメトーーク!』(テレビ朝日)出演で再ブレイクの予感がする47歳。Twitter:@TAIGAtrendy