B.O.L.Tは解散するけど、楽曲も、思い出も、永遠に

そして、2023年4月15日。

B.O.L.T解散ライブ『The LAST』。

チケットはソールドアウト。マスク着用なら声出しOK。お膳立ては整った。

ある意味、幸せな解散である。少なくとも僕が取材するようになってからの2年半、極端に活動のペースが下がることはなかったし、常に一歩、また一歩と前に進んできた。グループとして、めちゃくちゃいい状態で迎えた最後の日に超満員のファンが集まり、関係者エリアには元メンバーを筆頭に彼女たちに関わってきた人たちが集結していた。

ここでB.O.L.Tは何を見せるのか? おそらく予想をしていた方も多いだろうし、同時に時間がかかりすぎて無理だろうとも思っていた『持ち歌全曲披露』。それが彼女たちの答えだった。

全36曲。

さすがに途中でメドレーを挟むのかな、と思いきや、全曲しっかり歌う。すべてがこの4人で歌うのは、これが最後となる。そう考えると1曲目からうるうるしてしまうが、本人たちは「悲しいを楽しいが超えた!」とイキイキしている。

コロナ禍で発表した楽曲には、これまでコールや歓声が乗っかることはなかった。それが今日、たくさんの楽曲に客席の声がミックスされ、はじめてライブバージョンが完成していく。

歓声で綺麗にデコレーションされた楽曲は、その場で大事に仕舞われていく。なにか壮大な儀式を眺めているようだった。今日に関してはもう、音が外れようが、そんなことはどうでもいい。4人に悔いが残らず、観客が楽しめていれば、それ以上、何もいらない。

アンコールですべての楽曲を歌い終えた。

常識で考えたら、もうこれ以上は何も歌うものなんてない。でも、すぐさま起きるダブルアンコール。その気持ち、痛いほどわかる。だってショーが止まってしまったら、その瞬間、B.O.L.Tというグループは終わってしまうのだから。

正直、僕もこの原稿を書き終えたら、もうB.O.L.Tについて書く機会はなくなってしまう、さっきから何度も手が止まっている。

ダブルアンコールに応えてステージに戻ってきた4人。

挨拶だけで終わっても誰も文句は言わないだろう。だが、4人はマイクを握った。本当のラストナンバーに選んだのは、B.O.L.Tにとって初の楽曲であり、この日の1曲目に歌った『星が降る街』。

なんなら、もう一回、ここから36曲やってくれてもいいんだよ、という気持ちにもなったが、ふと時計を見ると、もう開始から3時間以上も経っていた。これ以上の大団円はない。

アイドルとは『永遠』の存在ではない。

この日、B.O.L.Tは3年9ヶ月の歴史に終止符を打った。感傷的になっていると内藤るながこんなことを言った。

「B.O.L.Tは今日で解散しますけど、楽曲は永遠です!」

いつか、どこかで、誰かが。

またステージからB.O.L.Tの曲が流れてくる日がやってくるかもしれない。きっと、そのとき、みんなはラストライブでの4人の姿を思い出す。

楽曲も、思い出も、永遠に。

だから『さようなら』ではなく『ありがとう』でこの記事を締めたい。36の輝ける楽曲とたくさんの思い出を胸に抱いて……B.O.L.Tよ、ありがとう!

▲最後は笑顔でお別れ