マスク顔の絵文字が一気にメジャーに

コロナウイルス関連で、とくによく使われている絵文字を見ていきます。

Emojipediaによれば、病気関連の絵文字の中では、😷マスク顔と🦠微生物の絵文字がコロナウイルスに言及したメッセージで最もよく使われているそうです。

〇Emojipedia

図1 風邪や病気を表す絵文字、コロナウイルス関連のツイッターでの使用割合 
出典:Emojipedia (https://blog.emojipedia.org/spread-of-the-coronavirus-emoji)

😷は、もともとマスク顔(Face with medical mask)を指す絵文字ですが、Emojipediaなどによると、「Coronavirus」「COVID-19」といった意味でも使われる、とすでに追記されています。

ちなみに、マスク顔といえば、日本では予防の意味でマスクを付ける習慣が根付いていますね。特に、インフルエンザが流行る冬から花粉が飛ぶ春にかけては、そこかしこでマスク姿の人を見かけます。彼らはかならずしも病気の人たちではありません。

しかし、欧米ではよっぽど重い病気か、なにか特別な理由がなけなければ、マスクは付けません。

欧米在住の日本人から、マスクをすると警戒されるので付けたくても付けられないという話も聞きました。イギリスのある町では、マスクをした日本人観光客がスーパーに入って買い物をしていたら「テロリストなのでは?」と現地の人々に警戒された事件もあったぐらいです。

〇JAPANTODAY

筆者も日本に初めて来た時にマスク姿の人の多さに驚いた覚えがあります。せっかくなので日本人と同じマスクスタイルにしてみようと、何度か付けてみましたが、眼鏡が曇るし息苦しかったので、けっきょく馴染めませんでした😅。

こうしたマスクに対する常識が、今回のコロナウイルスの世界的流行を機に、変わりつつあるようです。欧米でもマスクをする人が増えてきました。その流れを反映するかのごとく「マスク顔」😷の絵文字の使用も爆発的に増えています。下のグーグルトレンドのグラフを見てください。

図2 Google検索における😷と 🦠の絵文字への興味推移
(出典:https://trends.google.com)を使って筆者作成

 

また、 🦠 という普段なかなか目にしない不思議な絵文字も、グーグルトレンドを見ると、その検索数が2月辺りに一気に上がっていることが分かりますね。

 🦠 は「微生物」、「ウイルス」を指す絵文字で、「黴菌」絵文字とも呼ばれます。

この絵文字は2018年10月にユニコードに追加され、絵文字11.0バージョンに入った比較的新しい絵文字と言えます。筆者自身コロナウイルス関連のつぶやきを調べる中で、初めて知ったくらい。どちらかというとマイナーな絵文字です。この微生物の絵文字を詳しく見ると、そのデザインはメーカーやSNSごとにだいぶ違っていました。

図3 生物絵文字のデザインの比較 
出典:Emojipedia (https://blog.emojipedia.org/spread-of-the-coronavirus-emoji)

色・数・形、それぞれ特徴があります。特にアップルの絵文字はコロナウイルスにちょっと似ていませんか? これはアップルの場合はもともと、「ウイルス」をモデルにしていたからだそうです。コロナウイルスの流行に合わせてデザインを変えたわけではありません。アップル以外の絵文字は、アメーバやゾウリムシのような「微生物」がモデルになっています。

コロナウイルス関連では、😷マスク顔と 🦠微生物の他に、👑という絵文字をよく見かけます。なぜかわかりますか? これは、コロナが「王冠」を意味するラテン語から来ている言葉で、スペイン語やロシア語では「王冠」を「コロナ」と言うためです。👑🦠で「コロナウイルス」になるわけですが、以前に別の記事に書いた判じ絵と同じ発想ですね。

〇絵文字進化論 第1回【後編】(BEST T!MES)