ドラムの初心者だと思われることが多かった

――2016年からは「グラビアドラマー」としてYouTubeなどで活動されていますよね。YouTubeを始めようと思ったキッカケは?

大崎 じつは、YouTuberになりたいという気持ちで動画を撮ったわけではないんです。お仕事で知り合った方に「ドラムを演奏できる」という話をすると、見た目の印象もあるのか、初心者だと思われることが多いんですよ。

自分のことをすごくうまいと言うつもりはないんですけど、周りが思っている程ド素人という訳でもないと思うんです。でも、それって自分から話したところでわかってもらえないじゃないですか。なので、映像として資料があれば「これくらいの演奏ができるんだ」ということが伝わるんじゃないかと思って始めました。

▲ドラムの初心者だと思われることが多かったんですよね

――なるほど。周りへの反骨精神という部分もあったんですね。大崎さんってグラビアと音楽をかけ合わせたチャンネルの先駆けじゃないですか。なぜこの2つを合わせたのでしょうか?

大崎 グラビアを始めてからは、ドラムをやってなかった時期があるんですけど、結局はドラムを演奏したくなってしまう自分がいるということに気づいて、私の中には常に音楽をやりたいという気持ちが根付いているんだなと。改めて自分にできることは何かと問いかけてみたときに、自分ができることってグラビアとドラムだったんです。

――大崎さんのチャンネルって、グラビアと音楽、両方から見に来てくれると思うんですけど、どんな反応が多いんですか?

大崎 グラビアの人たちやプレイヤーの方々はウェルカムで受け入れてくだされるんですけど、音楽方面からは「ふざけんなよ」とか「真面目に音楽をやれ」という声もありましたね。

――そんな反応があったんですね。それが変化したタイミングってありましたか?

大崎 チャンネルの数字が伸びてきて、それがビジネスにつながるということが周りに知れ渡ったときに、少しずつ受け入れてもらえるようになったような気はします。

――ビジネスにつながると周りの反応も変わるんですね(苦笑)。

大崎 手のひらを返すといいますか…(笑)。もちろん、いろんな捉え方があるのはわかっていますし、そういう多様性を認めてもらうという意味でも、数字が伸びて良かったなと思います。

――それって大崎さんが先駆者であることも大きいですよね。

大崎 今でこそ、グラビアと音楽をかけ合わせて活動されている方はいますけど、当時は本当に誰もいなかったので、私への風当たりが強かったんですよね。でも、そういういろんな意見が飛び交うことで、見てくれる人が増えているんだということを私も実感したので、批判的な意見から得られることも多かったです。

これほどバズってくれるとは思ってなかった

――YouTubeのターニングポイントで言うと、やっぱり「紅蓮華」になるんですかね。

大崎 一番伸びたのは「紅蓮華」でしたね。最初に日本でバズって伸びて、それから台湾とか海外で何回か伸びた結果、475万回という大きな数字になったんですけど、ターニングポイントっていうところで言うと、やっぱり1本目に投稿したゲスの極み乙女さんの「ロマンスがありあまる」がバズったのが大きかった気がします。

ファンの人から言われたんですけど、小籔(千豊)さんが川谷(絵音)さんと一緒に出演している番組でドラムを叩いていて、その動画の関連動画に私の動画が出てきて、そこから多くの人が流入してくれたという経緯があるみたいなんです。

〇【グラドルが叩いてみた】紅蓮華 - LiSA (鬼滅の刃) / Demon Slayer Kimetsu no Yaiba Full Opening Gurenge drum cover

――そういうことだったんですね。「グラドルが叩いてみた」というタイトルも惹きつける要因だったような気がします。

大崎 最初は資料のつもりだったので、「ドラム叩いてみた大崎由希」みたいなシンプルなタイトルだったんですけど、せっかくグラビアをやっているし、その要素を入れたいなと思ってつけたのが「グラドルが叩いてみた」だったんです。

――ここまで多くの方に見られるというのは想定していましたか?

大崎 当時、Twitterでも何万人規模でフォロワーの方がいたので、全く伸びないとは思っていなかったんですけど、これほどまでにバズってくれるとも思ってなかったので、びっくりしました。「なにごとですか?」ってなっていましたよ、最初は(笑)。

――動画を見ていると、新しい動画はカメラワークが細かく意識されていると感じたんですけど、そこもこだわっているところですか?

大崎 1本目は、本当にもうYouTuberだなんて言えるほどちゃんとしてなかったので(笑)。ただ固定で、とにかく演奏をメインで映すことしか考えてなかったんですけど、いろんな人が見てくれるようになるにつれて、その曲を演奏したいドラマーの方が演奏の参考資料として見てくれている、みたいなことを知って。

だとしたら、足のパターンが見られたほうがいいなとか、グラビアドラマーって言い出したからには胸元はよく見えたほうがいいなとか、いろんなことを考えたんです。その結果、見せ物としてはカットが割られていたほうが面白いし、いろんな方向から見られるほうが参考になると思って、現在のスタイルになりました。