ピン芸人「エアコンぶんぶんお姉さん」として知られている“こんねき”こと保坂ななみ。彼女のお笑い芸人としてのキャリアは、東京の大学でお笑いサークルに入ったことがきっかけで始まった。『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』(日本テレビ系)では準決勝進出、2021年に出演した『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)で披露した独特なネタが、お笑い芸人好きのあいだで大きな注目を集め、今や若手女性芸人の筆頭といってもいい。

しかし、彼女のパーソナリティはまだまだ知られていない部分が多い。そこでニュースクランチではエアコンぶんぶんお姉さんにインタビューし、名前の由来やお笑い芸人としてのスタンス、音楽活動についてなど聞いてみた。

▲エアコンぶんぶんお姉さん

お笑い芸人の食物連鎖ピラミッドに入りたくない

――「エアコンぶんぶんお姉さん」という、かなりユニークな芸名をされていますよね。まずは由来から教えていただけますか?

エアコンぶんぶんお姉さん(以下、こんねき) じつは……適当に決めちゃったんですよ。学生お笑いの大会に出場するために、みんなで集まって話し合っていたら、突然「ピンでも出てみたら」と言われて急いで決めたのがこの名前なんです。

だから、本当はあまり気に入ってなくて、今すぐにでも変えたいと思っていて。自分では“エアコンぶんぶんお姉さん”ではなく“こんねき”と呼ぶようにしているんですよ。でも、皆さんキャッチーで覚えやすいみたいで、変えられないんです。……この名前、なんかダサくないですか?

――そんなことないですよ。聞いただけで頭に残るというか。

こんねき そうそう、キャッチーさに全振りしすぎたんですよ。もっとかっこいい名前にすればよかった!

――では、ここからはこんねきさんとお呼びしますね(笑)。こんねきさんは小さい頃はどんな子でしたか?

こんねき 今もなんですけど、かなりの内弁慶でした。学校とかでは静かなんですけど、家に帰ったら本をぶちまけたり、ピアノを叩いたり……。あとは、みんなが好きじゃないものを好きでいたい子でした。逆張り人間なんです。

――ご両親から影響を受けた部分はありますか?

こんねき お父さんは優しかったです。でも、何かイヤなことがあったらパンチしろと教わって育てられてきました。お母さんはヒステリックな人で、急に電話をかけてきてはギャーギャー言ってきたり……そこは似ているのかなと思います。

――こんねきさんがお笑いの道を目指したきっかけは?

こんねき お笑いが好きだったという理由で、大学ではお笑いサークルに入ったんです。最初はスタッフをやりたかったんですけど、あまりにも人数が少ないサークルだったんで、いきなり演者をさせられることになってしまって……。不本意だったんですけど(笑)。そこからどんどんお笑いをやることになっていって、気づいたら養成所に入っていました。だから、とりわけ明確なきっかけはないんです。

――お笑い芸人になるって言ったとき、家族から反対されたりはなかったんですか?

こんねき 両親からはなかったんですけど、おばあちゃんは反対してましたね。将来性がないとか言われたんですけど、頑なに押し通していたら諦めてくれました。お笑いはお金がもらえないと思ってたみたいで。

――お笑い以外にやりたかったことはなかったんですか?

こんねき 最初は普通に大学を卒業して、地元には戻らないで東京で就職したいと思っていたんです。でも、学生時代にやっていたアルバイトに毎回遅刻していて、やっぱり社会で生きていくのは厳しいという現実を知ってしまったんです。お笑いの道に行ってしまった間接的な要因は、そこにあるのかもしれないです。

――芸人は決まった時間に起きなくてはいけない仕事ではないですもんね。

こんねき そうなんです。毎日同じ時間に起きるのがイヤ! 起きられる人はみんな偉すぎ!

――ちなみに、小さい頃に憧れていた芸人さんはいましたか?

こんねき マヂカルラブリーさんやZAZYさんが大好きでよく見ていました。でも、私はお笑いに対して、いかに笑わせてくれるのかということよりも、自分にとって笑えるもののレパートリーを増やしてくれるかどうか、を求めている感じがあって。価値観を広げてくれる存在として見ている部分がありました。

――この人にはかなわない、と思う芸人さんはいますか?

こんねき たくさんいるんですけど、本音を言うとお笑い芸人の食物連鎖ピラミッドに入らないようにしたいから、他人とは比べないようにしたいんですよ。でも、めっちゃスゴいと思う先輩はいっぱいいます。例えば、吉本の中華兄弟とイチゴ。すごいかっこよくて面白い先輩なんですけど、私には無理! 一生マネできないです!

▲ NSC東京24期のイチゴと、25期の中華兄弟の名前を上げてくれた