今年2月に結成25周年を迎えたお笑いコンビのテツandトモ。日大芸術学部で知り合った二人、最初は芸人になるつもりはなく役者と歌手を志望していた。しかし、結婚式の余興で歌ったことがきっかけに芸人の道へ、今や「なんでだろう」ネタは老若男女に親しまれ、全国から営業の出演依頼がひっきりなしに届くという。

テツとトモの二人に、お世話になった立川談志師匠の話から、一度だけあったドッキリでの解散報告、なんでだろうネタが全国各地どこでもウケる理由について、ニュースクランチ編集部がインタビューで聞いた。

▲(左から)テツ、トモ【Crunch-special-intervieW】

エイプリルフールの思い出

――テツandトモさんが恩人と慕う談志師匠との、おもしろいエピソードはありますか?

トモ 立川談志師匠には本当にお世話になりました。2004年くらいかな、これはギャグなのかどうなのか?って言うことがあって。お歳暮のお礼だったかな、「テツendトモ」って書かれてたんです(笑)。

テツ 終わってるんですよ(笑)。

トモ お歳暮のお礼とか必ずくださるんですけど。終わってないです!って(笑)。

テツ 達筆すぎて読めないときもありましたね。だいたい、こんな感じのことを書いてるのかなって想像したり(笑)。

▲談志師匠からの手紙やハガキはすべて大事に保存してあるという

トモ そうそう。飲みに連れてってもらったときは、一緒にネタ考えてくださったり。

テツ 談志師匠がよく行っていた飲み屋で「今後テツトモどうすりゃいいか考えようぜ、みんなで」って。そんなことを言ってくださるんです。

トモ 談志師匠の娘さん、松岡ゆみこさんのお店に3人で行ったときのこと。師匠が、当時の総理大臣「森総理、森総理、なんでだろう」と。「師匠……それでウケますかね?」「それでいいんです」って仰られてね(笑)。

テツ 談志師匠の言うところのイリュージョンを目の当たりにしました。

――テツandトモはすごく早く売れたというか、早く世に出たという感じがしているんですが、芸人をやめたいなって思ったことはありますか。

トモ ないですね。

テツ うん、やめたいはないです。

――解散の危機ということもないまま、これまで25年間やられてきたって感じでしょうか。

トモ 解散するっていうのは、ドッキリで1回ありましたね。僕らのマネージャーは25年一緒なんですけど、 2年目ぐらいのとき、4月1日のエイプリルフールにテツの家でネタ合わせすることにしたんです。その日はマネージャーもいたんで、エイプリルフールだし、せっかくだからドッキリしたいんだけどって話して。それで「解散したい」っていうドッキリをしたんです。番組とかじゃなく自主的に(笑)。

――え、自主的に!?

トモ そうです、自主的に(笑)。テツに「俺、やっぱりいろいろ考えて、芸人やめたい」と言ったら、テツが「いや、俺はもうちょっとやりたい」って。

テツ 俺、覚えてない。

トモ マネージャーは笑いこらえてたらしいんですけど、テツが号泣しちゃって。「エイプリールフールです!」って種明かしするタイミングを見失ったんです(笑)。

テツ そんなことあった(笑)?

トモ あったよ!(笑) もう今だったら絶対YouTubeに上げたいくらい面白かったよ!(笑) それで最後「ウソだよ〜」みたいなこと言ったら、それもうれしかったのか、またテツが鼻水出して泣いちゃって(笑)。それぐらいですね、「やめたい」と言ったのは。あとは1回もない。

――その話、テツさんも愛しいし、トモさんもカメラ回ってないのにそれをやるって、良い意味でどうかしてる(笑)。

トモ たしかに(笑)。しかもほんともったいないですよね、今だったらスマホで撮れるのに、携帯にカメラもついてない頃の話だから。

▲最近ではYouTubeも積極的にアップしている